株式投資を始める時、多くの方は「運用利回り」について考えます。そして老後資金のためであれば、「長期での平均利回り」を基準に投資判断をするでしょう。しかし株式投資の「期待運用利回り」を知っている人は意外と少数です。今回は「株式の長期と短期の運用利回り」について言及していきます。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

「株式投資の年平均運用利回り」はどれくらいか?

株式の運用利回りを計算するとき、2つの収益を合わせて考えます。1つがキャピタルゲインで、もう一つがインカムゲインです。キャピタルゲインは株式の値上がり益です。インカムゲインは、配当金収入なので、市場の株価変動にかかわらず企業経営者の裁量によって決まります。

 

キャピタルゲインの平均利回りを算出する方法はいくつかあります。ここでは、長期の平均利回りを考えるので、企業業績に則った方法として、経常利益の増加率と株価の上昇率が同じと仮定して、キャピタルゲインの長期平均値を見積もります。

 

1989年から2019年までの東証一部の経常利益成長率は、年率で約4%でした。つまり、毎年PER13倍で株式を購入し続ければ、長期平均で年率4%の運用益を得られたということになります。一方、東証一部の平均配当利回りは約2%です。以上より、キャピタルゲインとインカムゲインを合わせると約6%の利回りが見込めることになります。

 

しかし、株価は外部要因によって、利益に対して上下するので、毎年6%を目標にするのは現実的ではありません。また、年間利回りが2%を割り込むとキャピタルロスになるので、株式で資産運用する意味がなくなります。これらを考え合わせると、現実的な株式運用による目標利回りは4~5%であると言えます。

 

目標利回りは、いくら?
目標利回りは、いくら?
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