経営者にとって「節税」は最も重要な課題のひとつです。しかし実際には「税金弱者」ともいうべき、税知識に乏しい経営者も少なくありません。ここでは、税理士YouTuberとして多くの節税動画を公開している田淵宏明氏が、中小企業経営者やひとり社長に向けた節税の基本を解説します。※本記事は『日本一わかりやすいひとり社長の節税』(ぱる出版刊行)より抜粋・再編集したものです。

減価償却には、節税効果の大きな「特例制度」がある

⑤減価償却のおいしい特例制度「特別償却&税額控除」

 

減価償却には、節税効果の大きな「特例制度」がある。それが「特別償却」と「税額控除」だ。大規模な設備投資を実施する場合、検討したい。

 

Ⓐ特別償却(=減価償却の前倒し)

通常通りに計算した減価償却費に、一定金額(設備投資額の30%等)を加算して「2年目以降の償却費を、設備投資初年度に先取りできる制度」である。初年度は、利益が圧縮されることにより節税が可能。しかし、2年目以降は償却費が減少するため、税額が増加してしまう。初年度の節税効果は高いものの、納付すべき税金を先送りした「課税の繰延(くりのべ)」に過ぎない。

 

Ⓑ税額控除(=永久免税制度)

算出された税額から、投資額の一定割合が控除される制度。減価償却費自体の計上はそのままであるため、2年目以降の償却費が減少しない。償却費とは別に、「プラスアルファの控除」を認める制度であり、課税の先延ばしではなく、永久的な節税効果がある。

 

セツ子★じゃあみんなⒷを選ぶでしょ?

 

しかしながら、設備投資初年度は「資金繰り悪化」が見込まれることが多い。初年度だけでも大きく節税したいのであれば、Ⓐの特別償却も有効となる。

 

具体的に「どんな設備を導入すれば、これらの適用ができるか?」は、以下の⑥や⑦で解説するとして、先に注意事項を述べておく。節税効果が高い分、下記のように、検討しなければならない事項が多い。気を付けよう。

 

●対象資産等の適用要件が複雑。かつ頻繁に税制改正が入る

●特別償却と税額控除は併用不可。どちらか1つを選択

●中古資産は適用不可

●決算日までに購入しただけでは適用不可。事業供用することが必須

特別償却・税額控除制度の定番…一番使われる節税策

⑥減価償却特例制度の定番「中小企業投資促進税制」

 

中小企業投資促進税制度とは、一定金額以上の機械等を購入して、事業供用した場合、「取得価額の30%の特別償却」または「算出された税額から、取得価額×7%の控除」が行われる、というもの。特別償却・税額控除制度で定番のもので、中小企業で一番よく使われている節税策だ。

 

セツ子★これも「7%の控除」を選んだ方が、トータルでトクなのかしら

 

結論から言うと、そうだ。下記の図表2の下線が引かれた計算式で、シミュレーションしてみよう。たとえば、ある製造業を営む中小企業が、対象資産となる「500万円の機械」を導入した場合、特別償却額は「500万円×30%=150万円」。普通償却費とは別に、この150万円を経費計上できる。法人税率30%の場合、節税効果は約45万円(150万円×30%)。

 

一方、税額控除を選択した場合の節税効果は、「500万×7%=35万円」。

 

[図表2]中小企業投資促進税制

 

セツ子★こっちは「税額から控除」だから、35万円そっくり節税効果になるのね

 

そう。と言っても、特別償却額と比較するとやや少額であり、設備導入初年度だけを見ると不利かもしれない。しかし、減価償却できるトータル金額は、どちらを選択しても500万円。法人税等の率を30%として、この設備の生涯にわたる、節税額を算出すると次のようになる。

 

●「特別償却」を選択した場合の節税効果

⇒500万(減価償却トータル額)×30%(法人税)=150万円

 

●「税額控除」を選択した場合の節税効果

⇒500万×30%+35万円(500万×7%)=185万円

 

キャッシュに余裕があるなら、税額控除を選択するべきだろう。

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