薄毛に悩みながらも美容師の道を決意。そして…
20歳になる頃には剃り込みがさらに深くなっていき、頭のかなり奥まで進行しているほどになってしまいました。こうなると、以前はすることができた髪形もしにくくなります。もう日々、毎日が悩みそのものでした。
ところが、人には驚かれるかもしれませんが、私が選んだ職業は美容師です。普通なら自分の髪をあまり鏡で見たくないし、人にも見られたくない。髪の毛について触れたくない。そう思うはずでしょう。でも、実家が美容室を営んでおり、将来はそれを継ごうと考えていたため、美容学校へ進学したのです。
美容学校の授業では自分もヘアモデルを務めたりしなければなりません。そのときもよく同級生に髪のことでいじられたりしましたね。既に諦めの気持ちもありましたが、やはり自分に自信が持てず、辛い思いでした。髪の毛がふさふさ豊かな人のことが本当にうらやましかったですね。
おしゃれであるべき美容師を目指していながら、自分の場合はできるヘアスタイルが限られるうえ、髪が薄いのでうまくセットもできません。短髪にすると剃り込みが余計に目立つので、いつも髪は伸ばして下ろしていました。
そんなふうに隠していても、風で髪が乱れると薄毛がバレてしまうので、アウトドアなどはもってのほか。それに、彼女がいてもおかしくない年齢なのに、自信がないため異性との出会いの場に出かけることもできませんでした。
そんな悩みを抱えながらも美容学校を卒業し、美容師になったのですが、結局、短期間で辞めることになります。生来、肌が弱く、薬剤やシャンプー液などで肌が荒れてしまい、美容師を続けることが難しかったのです。