小学生の頃のあだ名は“べジータ”か“デビルマン”
私にとっての薄毛の悩み……それは実に子どもの頃から始まっていました。髪が薄いというよりも生まれつき、こめかみに剃り込みが入ったような毛の生え方をしていたのです。そのため小学生時代のあだ名は漫画『ドラゴンボール』に登場するキャラの一人“べジータ”、または“デビルマン”。どちらも額にM字のようなラインが入ったキャラクターです。
特に辛かったのは学校でのプールの授業のときです。濡れた髪がぺったりと頭に張りついて薄く見え、剃り込みも強調されて、人に見られるのが嫌でたまりませんでした。ただ子どもだったので、普段はそれほど悩むこともなく、「自分は何か人と違うなぁ」と漠然と思っていた程度でしたが、中学、高校と成長するにつれて悩みは深まっていきました。
中学生、高校生となると思春期に入り、異性を意識するようになっていきます。そこで髪型などもおしゃれにしたいのですが、私の場合は額を見せるのがいやなので、限られた髪型しかできません。
おまけに当時、剃り込みというとリーゼント頭のツッパリのイメージ。そのため中学生の頃から不良グループに同じツッパリと誤解され、因縁をつけられることもありました。そのたびに「違いますよ~」と説明し、何とか許してもらったのですが、災難ですよね。でもその髪は生まれ持ったもの。生来のコンプレックスでした。
思えば祖父も後頭部と横以外は毛がない、いわゆる「サザエさん」の“波平さん”的な薄毛だったので、遺伝的な要因もあったのかもしれません。
さらに、高校生になると薄毛の悩みは加速します。体が成長して大きくなると、当然、顔も大きくなっていきます。するとこめかみの剃り込みの部分も大きくなり、後退していくのです。
その頃には髪が水で濡れるのも、風に吹かれて額が見えるのもさらに恐怖になっていました。だからプールには中学時代以来、入っていません。