「あえて見せます」プロが披露した斬新すぎるリノベ
【リノベーション内容】
笑うときには口元を手で覆う。褒められてうれしいはずなのにその気持ちを隠して謙遜する。日本人は古来より「隠す」ことを美徳としてきた風習があります。それは建築でも同じで、例えば梁を隠すために壁を作ったり水回りを奥まったところに配置したりと、これまでは「見せない工夫」がメインでした。しかしあえて「見せる」ことで、意外にも空間がよりイキイキしだすこともあるのです。
【Case12】一見すると「え!?」と驚く造形は家族のための未来が詰まっている
竣工時には第一子が誕生することが分かっていたTさんには、脱衣室と洗面室を分けるプランを提案しました。小さい子どもがいると少しでも着替えが楽にできるよう脱衣室を広くし、収納を確保したいものです。
【リノベ後の写真を見る】からもわかるように、そのスペースをとることで入らなくなった洗面は、廊下に配置しました。
玄関を入ってすぐに手を洗う場所があるという斬新な造りにTさんも最初は驚いていましたが、出来上がりを見て納得。外から帰ってきて手を洗う習慣が身についただけでなく、隠しがちな水回りをあえて見せることで整理整頓が意識できるという一石二鳥の仕上がりとなりました。
また、物件は事務所として使われていたので広々としたLDKと横並びの三つの窓が特徴的でした。これらを活かすためにDK、リビング、フリールームはあえてドアなどで区切らずにどこからでも出入りができるように設計しています。将来的に子どもが増えて個室が必要になった際には仕切れるよう、あえてあまり作り込みすぎないように。リノベーションをしたことで、未来に合わせてゆっくりと変化していく家族の物語が始まったのです。
【リノベーション費用詳細】
解体処分工事:65万円
造作意匠工事:120万円
建具家具工事:115万円
設備刷新工事:275万円
電気防災工事:60万円
内装仕上工事:125万円
インテリア工事:85万円
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合計:845万円
※設計・諸経費は含んでいません
※参考価格であり契約金額ではありません
※税抜価格です
※本記事は、株式会社シンプルハウス代表取締役・山本武司氏の書籍『中古住宅×リノベーション ローコストで叶える「世界にひとつだけの家」』(幻冬舎MC)から一部を抜粋したものです。
山本 武司
株式会社シンプルハウス 代表取締役