日本において政府や専門家会議が、国民にしっかりと説明していない「新型コロナウイルスの収束に関するリアル」を、わだ内科クリニックの和田眞紀夫医師が語った。※「医師×お金」の総特集。GGO For Doctorはコチラ

新型コロナとは、これからずっと共存していくしかない

新型コロナウイルスでまず大事なことは、このウイルスの「封じ込め」ができるかどうかということ。「封じ込め」とは人間社会から完全に追い出すことで、SARSやMERSでは「封じ込め」に成功した。でも今回の新型コロナウイルスに限っては「封じ込め」はできないというのが世界のコンセンサスだ。となるとインフルエンザのようにこれからずっと共存していくしかない。

 

ワクチンも治療法もない段階では、感染者の中の一定の割合の人が重症になり、一定の割合の人が亡くなる。重症化(中等症以上)するのは(感染した人の)2割ぐらいといわれており、亡くなるのは(感染した人の)1%ぐらいと思われるが、この割合が正しいかどうかは後になってもっとはっきりしてくるものと思われる。

 

欧米で当初報告された致死率は軒並み10~12%以上で低いと言われたドイツで3%(一方、日本の致死率は5月9日現在の統計から計算すると3.9%)だったが、最近の抗体検査では予想以上に無症状の感染者が多く(人口の4%ぐらい)致死率も0.2%ぐらいではないかとの予想もある。

 

仮に致死率が1%とした場合、1万人が感染したら2000人が重症化して100人が亡くなるということだ。1000万人が感染すれば200万人が重症化して10万人が亡くなり、さらに6000万人が感染したら1200万人が重症化して60万人が亡くなる計算になる。

 

また、1〜2年後に世界の6割の人が感染しているだろうということも世界のコンセンサスが得られている。そして集団免疫ができて、それから後は感染する人がほとんどいなくなるということだ。致死率に関しては治療法(抗ウイルス薬やワクチン)が開発されれば下げることが可能だが、一番大事なワクチンが全世界に普及するまでには2年近くかかると予想されているので、その2年間のあいだにはやはり1%近い人が亡くなることは避けられそうもない。

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本連載は、医療ガバナンス学会のメールマガジンを転載したものです。記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも執筆時点のものであり、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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