投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、マーケットレポート・ヘッドライン。日々のマーケット情報を専門家が分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

>>>12/10(火)LIVE配信

 

新型コロナウイルスの感染拡大は、経済に深刻な影響を及ぼす公算が高まっています。世界的な感染拡大は経済成長率の低下だけでなく、他の分野にも影響が及ぶことが想定されます。今回は国際決済銀行(BIS)のレポートを紹介しながら、現金決済への影響を述べます。

国際決済銀行:中央銀行の中央銀行は現金による感染懸念を否定

新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で広がりを見せる中、国際決済銀行(BIS)が2020年4月3月にキャッシュ(貨幣やコイン)による決済が感染を拡大させるリスクがあるかについてレポートをホームページに掲載しました。

 

要点を先に述べると、新型コロナウイルスがキャッシュ決済を通じて感染する例は報告されていないし、そのリスクは極めて低いということです。ただし、人々の漫然とした不安が残ることから、キャッシュレスもしくは中央銀行デジタル通貨(CBDC)実現に向けた動きが注目されそうです。

どこに注目すべきか:新型コロナウイルス、現金、感染、CBDC

新型コロナウイルスの感染拡大は、経済に深刻な影響を及ぼす公算が高まっています。世界的な感染拡大は経済成長率の低下だけでなく、他の分野にも影響が及ぶことが想定されます。今回はBISのレポートを紹介しながら、現金決済への影響を述べます。

 

検索エンジン(グーグル)で、「Cash」と「ウイルス(Virus)」の組み合わせが検索された件数を見ると足元(20年3月末)急増しています(図表1参照)。新型コロナウイルスの感染経路が完全に明らかでない中、現金(貨幣やコイン)を通じた感染はあるのかという不安が、グラフに反映していると見られます。

 

検索件数は過去15年ほどを対象にしましたが、この期間には09年頃の豚インフルエンザ、12年以降の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)、14年頃の西アフリカにおけるエボラ出血熱などの感染症がありましたが、現金からの感染に対する懸念はほとんど見られません。これに対し、今回の新型コロナウイルスの感染に対する懸念は別格となっています。

 

では、現金を通じた感染の懸念はあるのか?  BISのレポートでは、極めて低いとしています。レポートでは、コロナウイルスについて他の科学的調査を引用して、銅など貨幣に使われる素材に新型コロナウイルスが残存する時間が数時間なのに比べ、つり革や手すりなどに使われるプラスチックやステンレスの場合3日程度とはるかに長いことなどを強調しています。

 

各国中央銀行も対応に追われています(図表2参照)。英国やドイツは感染の可能性が低いことを説明する一方、中国などは現金を洗浄することで安心感を高めています。南アフリカでは人々の不安を逆手に、感染している現金を回収するという詐欺が横行したため、南ア中銀は不安を抑えにかかっています。人の悪意は感染よりもたちが悪いかもしれません。

 

将来的な対応策として、キャッシュレス決済を促進する動きも見られます。その選択肢として、中央銀行によるデジタル通貨への期待は新型コロナウイルスを通じて、世界中の中央銀行の間で、静かに、しかし着実に高まったと見ています。

 

月次、期間:2005年3月~2020年3月、ピーク時を100として指数化  ※検索は世界全体でcashとvirusの組み合わせの検索件数  出所:グーグル検索数のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]グーグル検索におけるキャッシュと感染の検索件数 月次、期間:2005年3月~2020年3月、ピーク時を100として指数化
※検索は世界全体でcashとvirusの組み合わせの検索件数
出所:グーグル検索数のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

出所:BIS、各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成
[図表2]主な中央銀行の貨幣感染懸念への対応策 出所:BIS、各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中央銀行、現金決済による感染リスクを否定』を参照)。

 

(2020年4月7日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【11/19開催】相続税申告後、
約1割の人が「税務調査」を経験?!
調査の実態と“申告漏れ”を
指摘されないためのポイント

 

【11/19開催】スモールビジネスの
オーナー経営者・リモートワーカー・
フリーランス向け「海外移住+海外法人」の
活用でできる「最強の節税術」

 

【11/23開催】ABBA案件の
成功体験から投資戦略も解説
世界の有名アーティスト
「音楽著作権」へのパッション投資とは

 

【11/24開催】事業譲渡「失敗」の法則
―M&A仲介会社に任せてはいけない理由

 

【11/28開催】地主の方必見!
相続税の「払い過ぎ」を
回避する不動産の評価術

 

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧