積立投資から仮想通貨、株にまで手を出して大損
◆iDeCoやつみたてNISAだけで大丈夫?
金融庁の発表によると、2018年にスタートした「つみたてNISA」の開設口座数が2018年12月末時点で約103万7000口座となり、1年で100万口座を超え、その人気ぶりがうかがえます。
しかし、当然のことながら積み立て型の投資ですから、ゆっくりとしか増えない仕組みです。実際に、つみたてNISA自体の資産残高も、今のところ約947億5000万円と小さいのが現状。
ただ、「老後資金に1億円必要」などと聞くと、早く貯めなければと焦るのも事実。しかし、焦ったがために、大変な目にあっている人もいます。
【47歳/男性の場合】
例えば、ある47歳の契約社員の男性は、収入が少なく、貯蓄も200万円程度しかなかったため、老後資金や親の介護にかかる費用を意識し始め、「国が勧めている制度なら大丈夫だろう」と、iDeCoやつみたてNISAを始めました。
しかし、半年たってもたいして貯まらず、焦り始めます。そんな折、〝億り人〟もたくさん生まれていた仮想通貨と、株に興味を持ちました。「仮想通貨や株だったら、あっという間に資産を大きくできそうだ」と考えたその男性は、iDeCoとつみたてNISAに貯蓄の半分を投じ、仮想通貨に約30万円、株に約70万円を投資しました。
ところがそのとき〝仮想通貨バブル〟が突然はじけ、急落。同じタイミングで株も大きく下落し、含み損は膨らむばかりの状況に陥ってしまいました。恐ろしくなってしまった男性は、仮想通貨と株を売却。結局、投資にあてた100万円は60万円に目減りしてしまい、「この先どうすればいいのかわからなくなってしまいました」と家計相談に訪れたのです。