新型コロナの影響反映で注目の中国PMI、市場予想を超える悪化

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中国の2月のPMIは新型コロナウイルスの中国経済への影響を反映する事実上初の経済指標として注目されましたが、結果は市場の想定を超えた悪化が示されました。リーマンショックに匹敵する経済への悪影響が懸念されます。国際機関や市場で予想されていた中国の経済成長率予想の下方修正が想定されます。ただ、一方で景気刺激策への期待なども高まっています。

中国PMI:製造業、サービス業共に市場予想を上回り大幅に悪化

中国国家統計局が2020年2月29日発表した2月の(政府系)製造業購買担当者景気指数(PMI)は35.7と、市場予想(45.0)、前月(50.0)を大幅に下回りました(図表1参照)。

 

月次、期間:2005年1月~2020年2月 ※サービス業PMIは2007年1月から、コンポジットPMIは2017年1月から表示
[図表1]中国(製造業、サービス業、コンポジット)PMIの推移 月次、期間:2005年1月~2020年2月
※サービス業PMIは2007年1月から、コンポジットPMIは2017年1月から表示

 

また、2月のサービス業(非製造業)PMIも29.6と、市場予想(50.5)、前月(54.1)を大きく下回りました。同指数は50が景気拡大・縮小の目安とされています。新型コロナウイルスの中国経済への影響を反映した指標である中、悪化の程度は市場予想を上回る規模となりました。

どこに注目すべきか:中国PMI、サプライヤー納期、預金基準金利

中国の2月のPMIは新型コロナウイルスの中国経済への影響を反映する事実上初の経済指標として注目されましたが、結果は市場の想定を超えた悪化が示されました。リーマンショックに匹敵する経済への悪影響が懸念されます。国際機関や市場で予想されていた中国の経済成長率予想の下方修正が想定されます。ただ、一方で景気刺激策への期待なども高まっています。

 

中国の製造業PMIの構成項目を見ると、足元の生産停滞を反映して生産指数が急落し、今後の動向を占う新規受注も大幅減となりました。加えて、雇用指数も1月の47.5から、2月は31.8に急低下しています。全般に指数が悪化した背景は停滞感と見られます。特に通常50前後で概ね安定的に推移してきたことから注目されることが少ないサプライヤー納期が、前月の49.9から2月は32.1と急低下(指数の低下は納期の長期化)した点に生産活動の停滞がうかがえます。新型コロナウイルスにより春節連休後の職場復帰が大幅に遅れていることや、流通の混乱、労働者確保の難しさから工場再開に手間取ったことなどが背景と見られます。PMIの資料では25日時点で中大規模企業の業務再開率は78.9%、中大規模メーカーは85.6%と低水準となっています。

 

比較的堅調に推移していたサービス業PMIが急低下したことも気がかりです。外食、観光、宿泊などが新型コロナウイルスから深刻な打撃を受けたことが想定されます。

 

PMIの悪化を受け、中国経済は1-3月期前年比4%程度が市場で見込まれていましたが、下方修正を迫られそうです。しかし、PMIの発表を受けた2日の中国株式市場は経済対策期待などを受けむしろ反発しました。例えば金融政策として、預金準備率や流動性供給に加えて、ほぼ5年ぶりに、預金金利に連動し銀行コスト低下が想定される預金基準金利の引き下げが期待されています(図表2参照)。

 

週次、期間:2006年10月8日週~2020年2月28日週 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]中国預金基準金利と預金準備率の推移 週次、期間:2006年10月8日週~2020年2月28日週
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

また、新型コロナウイルスへの対応に政治が深く関与していることも反発の要因と見られます。感染拡大抑制と、減税など財政政策の両面に市場からの期待が見られます。ちなみに、先のPMIの発表資料によると、中大規模企業の業務再開率は3月末までに90.8%へ、中大規模メーカーは94.7%に回復すると見込まれるなど、回復方向は想定されています。

 

ただ、中国以外の感染はむしろ拡大傾向なこともあり、今後の(世界的な)感染の推移を見守る姿勢が必要です。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナの影響反映で注目の中国PMI、市場予想を超える悪化』を参照)。

 

(2020年3月2日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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