■昨年末、中国で発生した新型肺炎は、中国国内の感染者数が7万人を超え、経済活動は急低下しています。全人代は異例の延期となり、中国政府は感染拡大阻止の対策をとる一方で、景気対策として金融緩和などを進めています。今後は、中国での人々の移動制限の解除と新規感染の動向、中国外での感染の広がり、治療法の確立の進捗などに注意が必要です。
■新型肺炎による経済への悪影響が懸念され、アジアや新興国の国々も金融緩和を進めています。年初から通貨が大幅に下落している豪州やブラジルの金融政策が注目されます。
■米国では大統領選挙の候補者選びのプロセスが進んでいます。特に、スーパー・チューズデーに向けて民主党各候補がしのぎを削っています。足元では左派のサンダース上院議員の優勢が伝えられていますが、中道派バイデン前副大統領などとの差がどうなるかが注目されます。
■月初にOPEC総会、OPECプラスが予定されています。新型肺炎の影響で世界経済の下振れリスクが高まり、原油価格は大きく下落しているため、今回の会合では協調減産の延長や追加減産が協議されるとみられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型肺炎の影響、スーパー・チューズデーに注目…2020年3月』を参照)。
(2020年2月26日)
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