新型コロナウイルス感染者急増…湖北省、開示基準変更の理由

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市場では今月初めから中国における新型コロナウイルスの新規感染者数の伸びが鈍化したことが注目されています。また、昨日は、増加傾向にあった中国の新規死亡者数の伸びが低下したことも注目されました。これらを背景に感染拡大に楽観的な見方もありましたが、湖北省は開示基準を変更したため、感染者などが急増しました。

新型コロナウイルス:臨床診断追加で湖北省の感染者数が急増

中国国家衛生健康委員会は2020年2月12日、確認された新型コロナウイルス感染症例が累計で4万4653件になったと発表しました(図表1参照)。11日の新規感染者は2015人増えました。一方、中国で11日に新たに亡くなられた人の数は97人で、11日までの累計死亡者数は1113人に達しました(図表2参照)。

 

なお、中国湖北省の衛生健康委員会は13日、新型コロナウイルス感染対象に簡易な臨床診断(CTなど画像検査)も含めたところ、12日の増加件数は1万4840件に達したと発表しました(図表1、右端の斜線棒グラフ)。

 

日次、時点:2020年1月21日 ~2020年2月12日、12日斜線は別規準
[図表1]中国の新型コロナウイルス感染者累計の推移 日次、時点:2020年1月21日 ~2020年2月12日、12日斜線は別規準

 

日次、時点:2020年1月21日 ~2020年2月11日
[図表2]中国の新型コロナウイルスによる死亡者累計の推移 日次、時点:2020年1月21日 ~2020年2月11日

 

日次、時点:2020年1月23日 ~2020年2月12日、12日斜線は別規準 ※図表1、3の2月12日のデータは湖北省衛生健康委員会データを参照 出所:中国国家衛生健康委員会のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表3]中国湖北省における新規死亡者数の推移 日次、時点:2020年1月23日 ~2020年2月12日、12日斜線は別規準
※図表1、3の2月12日のデータは湖北省衛生健康委員会データを参照
 
出所:中国国家衛生健康委員会のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:新型コロナウイルス、粘液検査、画像検査

市場では今月初めから中国における新型コロナウイルスの新規感染者数の伸びが鈍化したことが注目されています。また、昨日は、増加傾向にあった中国の新規死亡者数(図表2参照)の伸びが低下したことも注目されました。これらを背景に感染拡大に楽観的な見方もありましたが、湖北省は開示基準を変更したため、感染者などが急増しました。

 

まず、開示基準の変更を簡単に述べると、これまでは鼻などの粘液の成分分析の結果で感染を判断していました。この方法は判断に時間がかかることから、新たにCTなど画像検査で新型コロナウイルスの感染を判断することで、粘液成分の分析に比べ時間短縮が可能と報道されています。

 

検査のスピードアップにより対象が広がった結果、12日の感染者が急増したということであれば、いままで手が回らない感染者が多数いたとことが想像されます。

 

次に、図表1と3の見方ですが、2月11日までは中国国家衛生健康委員会が公表する「粘液成分分析」のデータを使用しています。しかし12日(斜線)は湖北省の衛生健康委員会が公表した画像検査によるデータです。例えば、大半の死者が発生している湖北省の死亡者数は図表3で12日は242人増えています。そのうち画像検査で新型コロナウイルスと判断され死亡した人数は135人で、107人は従来の方法で判断された死亡者となります。

 

湖北省当局が画像診断を導入した背景は把握できていませんが、診断を早めることで感染拡大を防ぐことを意図したと考えたいと思います。画像診断導入に対する市場の反応は想定し難いですが、注目は感染拡大の抑制であることに変わりは無いと思われます。ただ教訓としては、単に過去のパターンを当てはめたに過ぎない判断は慎むべきでしょう。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナウイルス感染者急増…湖北省、開示基準変更の理由』を参照)。

 

(2020年2月13日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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