法人化によってバブル期の「負の遺産」を解消する方法

「法人化」は相続税対策のみならず、様々な用途に活用することができます。今回は、法人化によってバブル期の「負の遺産」を解消する方法を見ていきます。

法人化によって借入金を効果的に返済し、再生を図る

バブル期にマンションを建てた土地オーナーの中には、金融機関からの借入金の返済が思うようにいかず、にっちもさっちもいかない状態に陥っている人が少なくありません。

 

法人化はこのようなケースにおいて、借入金を効果的に返済し、再生を図る手段としても活用することができます。

売却損と売却益を相殺し、譲渡所得税を減らす

まず、マンションについては、鑑定評価を受けたうえで代金を定めて、法人に売却します。マンションの時価は帳簿価額より低くなっているケースが多いので、法人に売却した結果として、売却損が生じることになります。

 

また、利用していない遊休地、たとえば耕作していない農地などがあれば、生産緑地を解除するなどして売却します。この場合、土地については売却益が生じます。そして、譲渡所得税も生じます。

 

そこで、建物を売って生じたマイナス(売却損)と、土地を売ったプラス(売却益)とをぶつけます。つまり、相殺するわけです。

 

その結果、譲渡所得税を減らすことができるので、それだけ手元に残るお金は増えることになります。こうして得たプラス分で、借入金をある程度返済して、残額を法人に引き継がせることにより、再生の道筋を作っていくわけです。

 

このように、「法人化」は、相続対策にとどまらず、多様な活用方法が考えられます。ぜひ、前向きに検討してみてください。

税理士法人土田会計事務所 代表社員

1964年東京都小平市出身。1987年3月成蹊大学経済学部経営学科卒業。1996年2月税理士登録。2009年税理士法人土田会計事務所代表社員就任。TKC全国会会員。TKC西東京山梨会副会長。東京税理士会理事、地元農業協同組合顧問及び監事を歴任。学生の頃から父の税理士事務所で相続税の申告を手がけ、特に土地持ち富裕層の相続を得意としている。不動産所有型法人等を活用し、所得税・法人税・相続税のバランスの良い節税案件を多く手がけている。

著者紹介

連載地主のための財産を目減りさせない「相続対策」

本連載は、2013年12月2日刊行の書籍『地主のための相続対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

地主のための相続対策

地主のための相続対策

土田 士朗

幻冬舎メディアコンサルティング

・利益を生まないのに評価額だけ高い空き地 ・バブル期に建てて不良債権化したアパートやマンション ・全体像が把握できない先祖代々受け継がれた土地etc… 土地が絡む相続は、複雑になりがちです。 本書では、長年にわ…

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