亡くなった動物に関する情報管理は徹底する
引き続き動物病院を繁盛させるためのポイントを見ていきます。
【19】常連のペットが死んだときの対応も意識する
常連の飼い主の愛犬や愛猫が、病気や寿命などのために命を落としたような場合の対応についても日常的に意識しておくことをおすすめします。
もしかしたら飼い主は、葬儀の方法や埋葬の場所などについて相談してくるかもしれません。地域内にある動物の火葬場やペット専用の墓地などの情報を前もって把握していれば、そのようなときに的確なアドバイスができるでしょう。ペットの葬儀を専門に扱っている業者もいますので、機会があれば情報交換をしておくとよいかもしれません。
また、亡くなった動物の情報管理が不十分だと、思わぬ過ちを犯してしまうおそれがあります。たとえば、生前に定期的に送っていた予防注射の案内を、ペットを失った飼い主に送ってしまったら大変なことになります。飼い主の心を深く傷つけることになるでしょうし、激しい怒りを買うことにもなりかねません。
そのような取り返しのつかないミスを防ぐためには、通院していた動物の生死にかかわる情報をスタッフ全員で共有し、相互に「そういえば、○さんには狂犬病の予防注射の案内は送らないようにね」などと注意し合えるような体制をしっかりと整えておくことが必要となるでしょう。
飼い主の関心がやはり高いペットフード情報
【20】フードサンプルを積極的に提供する
下記のグラフは、平成19年11月6日に農林水産省と環境省が公表した「ペットフードの安全に対する国民意識調査結果について」というタイトルのリポートに掲載されているもので、「ペットの食事やおやつに市販のペットフードをどの程度与えているか」という設問に対する回答をまとめたものです。
【ペットの食事やおやつに市販のペットフードをどの程度与えているか】
ご覧いただければおわかりのように、犬を飼っている人の67.6%が100%、17.7%が80%程度、猫を飼っている人の77.9%が100%、13.4%が80%程度、ペットの食事に市販のペットフードを利用しています。実に飼い主の8割以上が、ごく日常的にペットフードを愛犬、愛猫に与えているわけです。
もっとも、市販のペットフードは種類が膨大なため、「この子には、どんなタイプのもの、どのメーカーの製品がベストなのだろう」とその選択については頭を悩ませている飼い主が少なくありません。そこで、ペットフードの選び方についても、積極的に相談に応じる姿勢をホームページなどで示しておくと、集客につながる可能性が高くなります。
また、動物病院にはペットフードメーカーから、新製品のサンプル(試供品)が送られてくるかと思います。そうした試供品を「すべて捨ててしまっている」という動物病院もあるようですが、飼い主の中には「新しく出たフードを試しに与えてみたい」と考える人もいるので、試供品用の棚を設けるなどして自由に持ち帰ってもらえるような工夫を試みてもよいでしょう。