残りの会社員人生を、ずっと腐ったままで生きていくのか?

「ながら起業」を提唱する中国人キャリアウーマンの小野りつ子氏が、会社にしがみつき続ける「雇われ人根性」から脱却し、自立した働き方をするための具体策を提案します。※本連載は『ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、改編したものです。

40代以降は「会社に残る」選択しかない?

ここまで本連載で紹介した話から、しがみつき社員から脱し、会社から自立しなくてはならない時代がすぐそこに迫っているといえることがご理解いただけたかと思います。ただ、誤解しないでいただきたいのは、今いる会社で必ずしも努力や出世をしなくてもいいというわけではありません。むしろ出世を目指すのはいいことだと思います。

 

一つの会社でそれなりの地位に立てるのは、やはり実力やコミュニケーション力、人脈があるからでしょうし、そういう能力がないと社内出世はできません。今本業で実力を発揮できていない人は、どんな仕事を選んでも同じ結果に終わるのではないでしょうか。

 

社内出世をするために必要な能力とは?
社内出世をするために必要な能力とは?

 

私が勤めている会社でも、上層幹部や役員クラスになると一日中会社のことを考えて動いているので、副業する余裕はなさそうです。本当は、気持ちのうえでは「不動産経営でもやってみたい」と考えているかもしれませんが、実際にはそんな時間はありませんし、リスクのあることをわざわざする必要はないでしょう。

 

金銭的にも年収が億レベルではないにしても、老後も安泰なほどの収入は得ているので、そういう人は定年まで会社にいたほうが安全です。

 

ただ、世の中には実力はあってもチャンスやタイミングに恵まれず、会社に評価されない人もいます。その会社での出世が見込めないなら、転職するか、起業するか、窓際族になってもその会社に残るかのどれかを選ばないといけないでしょう。

 

若いなら転職もアリです。しかし、日本では年齢が高くなればなるほど転職は難しくなり、転職回数が多いと企業に敬遠されるという風潮もあります。

 

かといって、いきなり起業するにはリスクが高い。日本では年間に約13万社が起業するとお話ししましたが、一方で2018年の全国企業倒産は8235件。ベンチャー企業は「千三つ(せんみつ)」という言葉のように、1000社のうち3社しか成功しないと言われています。

 

起業で失敗すると資金がゼロになるどころか負債を抱えることにもなりかねないので、勢いだけでできるものではないと思います。家庭を持っている方は、なおさら勢いで起業するわけにはいきません。それなら、40代以降はやはりその会社に残る道を選ぶしかないでしょう。

 

それでも、残りの会社員人生をずっと腐ったままで生きていくのは、あまりにもつらすぎます。ボランティアや趣味などの生きがいがあるなら、それに打ち込んでもいいでしょう。家族との時間を最優先してもいいかもしれません。

 

ただ、リストラの対象になる可能性があるので、会社に残ることを選んでも自立しておかないとなりません。そのためにも次の2点を意識しておきましょう。

「会社から自立する」ために考える2つのポイント

・外部の変化を期待するより自分自身を強くする

自立するために自分の本業に精通することは大事です。それは自分自身の市場価値を高めるためでもあります。

 

たとえ今任されているのが小さな仕事であっても、それを完璧にこなし誠実に取り組んでいれば、自分のスキルは向上し、意外なチャンスが訪れることもあります。以前、私は職場で同僚から英語翻訳の協力を求められ、自分の仕事の範囲外でしたが、プレゼンまで対応してあげました。すると、そのことを知った会社の役員が後日私を、別の海外プロジェクトの責任者に紹介し、大きなプロジェクトを担当することになったのです。

 

このように、どんな仕事でも別のチャンスにつながる可能性があり、将来自分を助ける武器になると思います。自分の本業においてこの分野では誰にも負けないという技能があれば、社内では冷遇されていても、社外で求められる可能性もあります。

 

・自分の本業以外の世界と接点を持つ

日本人は新卒で入社してから、定年まで一つの企業で勤めあげる人も大勢います。それは安定した生活かもしれませんが、自分の会社以外の世界を知らないまま、社会人人生を終えることになります。それが会社にしがみつかなくてはならない原因にもなっているのです。

 

このように書くと、皆さんの中には「自分は内勤の事務職でなくて外回りの営業職なので当てはまらない。自分たちは社外・異業種の人たちとの交流がなくては仕事が進められない」などと反論をされる方がおられるでしょう。

 

ある程度はその通りかもしれませんが、本業のつながりの中で得られた社外との交流はあくまで限定的なものです。それは、自分の会社の製品やサービスの取引という共通項の下でのつながりであり、相手は皆さん個人ではなく、会社の看板を背負った社員として関係を結んでいるということを自覚する必要があります。果たしてそのような看板を外した自分と今後も同じような付き合いをしてもらえるのかという危機感を常に持っておくべきです。

 

会社から離れた途端に付き合う人がいなくなった、という状況に陥らないために、自分の本業とはかけ離れた世界の人たちと交流を持つことをお勧めします。それは「ながら起業」や副業を通してでも構いませんし、同業他社との勉強会や異業種交流会に参加してみるのもいいかもしれません。

 

私はIT関係の企業に勤めていますが、同業他社が集まった国際協会に入っているので、ほかの会社の人との交流があります。日本だけではなく、世界中のさまざまな国のIT業界の人とコミュニケーションを取れるので、話をしていると非常に面白いのです。

 

国内でも企業によってこんなに仕事の進め方や慣習が違うのかという発見もありますし、中国や韓国の人たちの話を聞いていると、日本以上に進化しているのだと実感して刺激を受けたりします。

 

このように社外の世界を知ることは自立につながります。しがみつき社員になってしまうと、そこから抜け出すのは簡単ではありません。会社に勤めていても、会社に依存していなければしがみつき社員にならずにすむでしょう。そのためにはまず、会社から自立することが最善策です。

 

 

小野 りつ子

インダストロン株式会社

コンサルタント

インダストロン株式会社 コンサルタント

電気機器業種大手一部上場企業でグローバル事業シニアマネージャーを務め、中国子会社の買収や海外会社のM&A、事業提携等の業務をこなしつつ、夫が起業したインダストロン株式会社のコンサルタントを務める。
1994年に中国北京大学を卒業後、中国郵政省国家公務員として、全国ネットワークバンキングプロジェクト(現・銀聯カードのシステム基盤)に参画。来日後は住友金属、デロイトトーマツコンサルティング他において、オープン系システムの構築、日系企業の海外進出ビジネスコンサルティングに携わる。2010年には当時所属会社のグローバルビジネス推進への貢献により全社特別賞を受賞した。
会社で安定的な収入を得ながら起業で戦略的なキャリアを構築するという自らの働き方を「ながら起業」と命名。自由度の高い次世代の働き方として、提唱と普及に努めている。

著者紹介

連載中国人キャリアウーマンが語る「日本の会社員が世界で通用しない理由」

ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方

ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方

小野 りつ子

幻冬舎メディアコンサルティング

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