韓国で暗号資産に係る法案を審議、2020年に施行か
韓国の国会で、暗号資産に法的ステータスを与える法案の審議が進められている。
暗号資産をデジタル資産として分類し、韓国の暗号資産市場に明確で透明な規制をもたらすことを意図したこの法案は26日、国家政策委員会で可決された。法案が実現するためには、この先さらに、司法委員会と国会の本会議での可決が必要である。最終的に法案が承認された場合、2020年から施行される予定となっている。
法案は主にマネーロンダリング防止(AML)と投資家保護を目的としているが、韓国の金融庁(FSC)は、この立法措置により暗号資産の透明性が高まり、暗号資産への投資が正当化されると述べている。
同法案によると、すべての暗号資産関連企業は金融情報分析院(FIU)に登録することが必須となる。厳格な顧客の身元確認(KYC)ルール、AMLも遵守する必要がある。
さらに韓国の暗号資産企業として承認されるためには、国営の韓国インターネット振興院によって発行される、情報セキュリティ管理システム証明書を取得しなければならない。この証明書は、セキュリティを強化し、政府の規制を遵守することを目的としている。
◆国際的規制基準にも準拠
また暗号資産関連企業は、国際的な金融規制機関である金融活動作業部会(FATF)の基準に準拠して、取引監視システムを採用する必要がある。この監視システムを確立できなかった場合、処罰されることになる見込みだという。
韓国では6月に金融活動作業部会が発表した「暗号資産の管理方法を明確化するためのガイダンス」に従って、国内の暗号資産業界に対する規制の整備を進めている。
今月21日には、国会の議会問題修正小委員会でも、特別金融取引情報法の改正案が通過した。同法案は、国会の本会議での審議を待っている状態だが、実現すれば中小規模の取引所にも公平な運営体制を整えながら、未登録取引所への罰則が強化されることとなる。
参考:Korea JoongAng Daily――Cryptocurrency bill gets committee’s approval
※本記事は、2019年11月27日に「CoinPost」で公開されたものです。