「ビットコイン」「アルトコイン」全面高
暗号資産市場は15日、ビットコインが前日比8%高と急伸。アルト市場もそれを上回る銘柄が散見されるなど、全面高相場の様相だ。
特筆すべきは、ビットコインSVの高騰率で、一時前日比で100%高の過去最高値を更新、時価総額もテザー、ビットコインキャッシュ越えの4位に浮上した。ビットコインキャッシュとは時価総額が均衡しているものの、明確に上回る可能性まで見えた格好だ。
ビットコインのテクニカル面が好転したことを足固めに、アルト市場、特にビットコインキャッシュとSVが主導していることを高騰率から見ることができる。
ビットコインを含めた当該3通貨は、2020年の4月から5月に半減期を控える通貨でもある。また、ビットコインキャッシュとSVについては、半減期までの期間がビットコインと比べて短く、すでに100日を切っている状況にあるため、市場は織り込む動きに移行した可能性もある(ブロック生成平均時間でズレた関係)。
半減期の予定日程(1月15日時点)
・ビットコイン:5月12日(約119日後)
・ビットコインキャッシュ:4月8日(約84日後)
・ビットコインSV:4月11日(約87日後)
半減期のズレとそれまでの各ネットワークの状況は、同じハッシュアルゴリズム「SHA-256」を採用する通貨であることから、市場も注目するポイントとなるだろう(掘る通貨を変更することができるため)。
2020年は改めてビットコインETFに注目との声も
なお、高騰の背景には、13日に開始したシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のオプション取引が、好調なスタートを切ったことも理由に挙がった。
すでにライバルBakktの出来高を越えたことで、好調な推移として評された当該オプション取引は、業界における重要なリスクマネージメントのツールになることに期待感が高いと指摘される。
今回のオプション取引が開始されたことは、2020年のビットコインETFの実現にも重要なプロセスにもなったと指摘する見方もCNBCのテレビ番組で語られたほどだ。
同番組に出演したETF TrendsでCEOを務めるトム・ライドン氏は14日、2020年には改めてビットコインETFが実現する可能性があるとして、その理由にCMEのオプション取引を含め2つの理由を挙げた。承認の可能性は60%と考えているという。
CMEのオプションについて言及したランドン氏は、SECがこれまでのETFを却下した理由に挙げた、市場流動性と安定性の欠如にオプション取引や先物取引の環境が整うことで、解消していくとの見方を示した。
もう1つの理由は、NYDIG社のビットコイン先物ファンド「NYDIGのビットコイン戦略ファンド」を米SECが昨年12月に承認したことを挙げた。
「NYDIGのビットコイン戦略ファンド」は、機関投資家向けにビットコイン先物に特化した戦略ファンドの販売を行うもので、米SECの暗号資産への承認状況が軟化したと見られた事例だ。
なお、このファンドの承認には、現物のビットコインを取り扱わないことで、SECが懸念するカストディの問題には及ばないことが決め手になったと、有識者が当時の発表時に論じている。
※本記事は、2019年1月15日に「CoinPost」で公開されたものです。