シンガポールを拠点とする暗号資産取引所COSSが、突然ユーザ資金を凍結。利用者の間に混乱が広がっている。

「最大1ヵ月間のユーザ資金凍結」を突如発表

シンガポールを拠点とする暗号資産取引所COSSが、突然ユーザ資金を凍結。利用者に混乱を招いている。

 

発表は、約20万人のユーザの資金200万ドル(約2億円)相当を、最大1ヵ月間凍結対応(ロック)するというものだった。

 

COSS側のアナウンスによれば、今回の資金凍結は「プラットフォームをアップデートする目的」としているが、ユーザは1ヵ月間資金が動かせなくなることで、事態の悪化や機会損失を危惧している。

 

COSSは、「パニックになる必要はありません。誤ったメッセージや噂を信じないでください」とのメッセージを公開したが、アナウンスが資金凍結されるわずか3時間前だったことで、対応に遅れたユーザも多くいる模様だ。

 

なお、凍結理由とされる新しいプラットフォームでは、「超高速オーダーマッチングエンジン、高度なAPI、ビルトイン流動性ソリューションiOSおよびAndroidアプリケーション、証拠金取引」などが追加される予定だと説明している。

 

現時点で暗号資産の取引、引出し、入金が停止されており、その状態は、取引所がメンテナンスを行う今後3~4週間に渡って継続するとされている。

 

◆COSS広報担当者の説明

 

この件を巡り取材を行なった、暗号資産メディアDecryptによると、「数ヵ月前から事前通告すれば、ユーザが資金を大量に引き出してしまうのではないかと恐れていた」とCOSSの広報担当者が述べているという。

 

ユーザ離れを防ぎつつも、時代遅れのプラットフォームをより機能的なものにするというが、突如資金が凍結されたユーザ側は、被害にあったと言わざるを得ない状況だ。

 

COSSは、コストカットのため、技術チームをインドにアウトソーシング。競合取引所が「ミラー化されたオーダーブッキング」などの複雑な機能を標準として提供するなかで、COSSのシステムは更新されておらず、2019年には、取引所を流れる金額は、3月の1日あたり約1300万ドル(約14億円)から、最近の1日あたり約100万ドル(約1億円)に減少していたという。

 

※本記事は、2019年1月9日に「CoinPost」で公開されたものです。

 

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