二次相続対策には「家族信託」が特に有効となる理由

前回、新しい相続対策として、「家族信託」の仕組みを説明しました。今回は、「家族信託」の最も大きいといえるメリットについて見ていきます。

遺言書では二次相続の内容まで指定することは不可能

「家族信託」は、二次相続を想定した相続対策としても非常に有効な選択肢となります。

 

被相続人が相続の方法を具体的に指定する手段として、遺言書があります。しかし、遺言書で指定できるのは、遺言者である被相続人が亡くなったときの相続、すなわち一次相続の方法についてのみです。したがって、相続人の死亡時の相続である二次相続については遺言で指定できません。

 

たとえば、一次相続の被相続人Aが、自分の財産をBには相続させたいが、Bの相続人、すなわち二次相続の相続人であるCには相続させたくないとしても、遺言書でそのようなAの願いをかなえることは非常に困難です。

相続人の意向に応じた相続の仕組みを作れる家族信託

しかし、「家族信託」を利用すれば、Aは、自身が死亡した後、Bを自分の財産の受益者とするが、Bが死亡した後はCではなく、Dを受益者とするような仕組みを作ることが可能です(連続信託)。それによって「Cには相続させたくない」というAの願いを実現することができるわけです。

 

このように遺言書よりも自由度が高い形で、個々の被相続人あるいは相続人の意向に応じた相続の仕組みを柔軟に作れるのが「家族信託」の最も大きなメリットといえます。

 

基本的には、信託契約を結んで、登記をするだけというように手続きも簡単です。その気になれば、数日ですべての手続きを終えることができます。家族信託については様々な利用方法が考えられますので、ぜひ、積極的な活用を検討してみてください。

 

税理士法人土田会計事務所 代表社員

1964年東京都小平市出身。1987年3月成蹊大学経済学部経営学科卒業。1996年2月税理士登録。2009年税理士法人土田会計事務所代表社員就任。TKC全国会会員。TKC西東京山梨会副会長。東京税理士会理事、地元農業協同組合顧問及び監事を歴任。学生の頃から父の税理士事務所で相続税の申告を手がけ、特に土地持ち富裕層の相続を得意としている。不動産所有型法人等を活用し、所得税・法人税・相続税のバランスの良い節税案件を多く手がけている。

著者紹介

連載地主のための財産を目減りさせない「相続対策」

本連載は、2013年12月2日刊行の書籍『地主のための相続対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

地主のための相続対策

地主のための相続対策

土田 士朗

幻冬舎メディアコンサルティング

・利益を生まないのに評価額だけ高い空き地 ・バブル期に建てて不良債権化したアパートやマンション ・全体像が把握できない先祖代々受け継がれた土地etc… 土地が絡む相続は、複雑になりがちです。 本書では、長年にわ…

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