相続対策として遺言書は有効ですが、作成することで問題が生じる場合があります。今回は、そうしたケースが想定される際の対応法を見ていきましょう。

「遺言書」を作成することで不和が生じる場合も!?

相続対策として遺言書を作成したとしても、それを必ずしも公表するとは限りません。そもそも、本当に仲の良い家族の場合には、遺言書が不要なことが少なくありません。そのような家族の場合には、兄弟姉妹間でも、「長兄が家業を継ぐのだから、家や土地を相続するのは当たり前」という観念が強く残っていることが多いためです。

 

むしろ遺言書などを作成してしまうと、「私たちを信用していなかったのか!」といたずらに反感を買うことにもなりかねません。

 

したがって、遺言書が必要となるのは基本的に、相続を巡って何らかの問題が起こる可能性がある場合です。

争続を防ぐための「保険」として遺言書を準備

そのような場合には、遺言書を用意しておいたうえで、相続が発生した後、まずは他の相続人の思惑や意向などを探ることになります。

 

たとえば、四十九日法要が過ぎた頃に、長兄が他の兄弟姉妹に対して、「ところで、おやじの相続財産をどうしようか。何か考えていることはあるか?」などとそれとなく探りをいれてみます。

 

それに対して、「いや、お兄ちゃんが家を継ぐのだから、すべて任せるよ」というような返事があれば、あえて遺言書を持ち出す必要はありません。

 

しかしそうではなく、兄弟姉妹の中から「やはり、自分にも本家の土地を分けてもらいたい」などと主張してくるような者が現れた場合、そのときに初めて「税理士さんに聞いたら、親父は遺言書を残していたそうだ」と遺言書を水戸黄門の印籠のように取り出せばよいのです。

 

そのような意味では、遺言書は「争続」を防ぐ、いざというときの保険としての役割を果たすものといえます。

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