2019年8月の水関連株式市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

8月の投資環境

8月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。

 

世界の株式市場は、7月末の米国の利下げ後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け米国の追加利下げ期待が後退したことや、米トランプ大統領が9月1日より中国からの輸入品に対する追加関税賦課を発表したことなどを受け月初から大きく下落しました。その後、中国による人民元安定化のための動きやドイツが財政出動を行うとの報道などがプラス要因となる一方で、米中貿易摩擦の激化に対する懸念などがマイナス要因となり、株式市場は下旬にかけて上下する展開となりました。月末には反発したものの、月間では下落となりました。

 

円換算ベース、月次、期間:2009年8月末~2019年8月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2009年8月末~2019年8月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

業種別では、公益や生活必需品が上昇、ヘルスケアは市場平均よりも小幅な下落にとどまりました。一方、エネルギー、素材、金融などは市場平均よりも大きく下落しました。こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)は市場をアウトパフォームしました。

 

月次、期間:2009年8月末~2019年8月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2009年8月末~2019年8月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

上下水道ビジネスセクターは、アメリカン・ウォーター・ワークスやアメリカン・ステーツ・ウォーターなど米国の規制下の水道公益事業銘柄のパフォーマンスが良好だったため、小幅な下落に留まりました。弱まるマクロ経済環境や株式市場のボラティリティの高まりが米長期国債金利の低下をもたらしましたが、このような環境下で投資家は、インフレ・ヘッジとしての機能や魅力的な配当成長が期待され、また、債券代替としても見られる銘柄が注目され、上述の銘柄が大幅に上昇しました。

 

 

一方で、サンパウロ州基礎衛生公社は軟調となりました。過去1年に渡り良好なパフォーマンスが続きましたが、グアルーリョス(サンパウロ市郊外にある都市)へのサービス統合にかかる費用計上により第2四半期の収益が未達となったことがきっかけとなり、利益確定のための売却の動きとなりました。しかし、議論が進められている新しい公衆衛生規制や民営化の恩恵を受け大幅に上昇する可能性があると見ています。

 

 

環境マネジメント・サービスセクターもまた、小幅な下落となりました。一方、装置製造エンジニアリングセクターは最も下落しました。市場が産業部門の最終市場の弱気な見通しを織り込み、収益期待が低下したため、ザイレムなどが下落しました。

今後の見通し

足元では、貿易問題や米国の金融政策、地政学的リスクなどマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、米国など数少ないエリアを除き、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。グローバルな2019年の企業業績は2018年より緩やかなペースで成長すると予想されていますが、GDP成長率見通しは2018年並みとされています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

 

記載のデータは、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2019年8月の水関連株式市場』を参照)。

 

 

(2019年9月9日)

 

 

 

幻冬舎グループがIFAをはじめました!
「お金がお金を生む仕組み」を作りたいけど、相談相手がいない…
この現実から抜け出すには?

 こちらへ 

 

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケット情報

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧