第4次安倍再改造内閣で麻生大臣が続投することがわかった。ブロックチェーン技術の利活用に言及する一方、暗号資産税制の緩和には厳しい姿勢を一貫している。

ブロックチェーン技術を高評価する麻生大臣が続投

第4次安倍再改造内閣が発足。小泉進次郎氏など、政権発足以来最多の13人が初入閣した。さらに、麻生大臣が続投することがわかった。

 

6月にフランスのパリで開催された、主要7ヵ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、国家主権に関わる「通貨発行」に対する懸念があるとして、米フェイスブックが計画する暗号資産リブラについて議論を進め、規制面などで早急な対応を取る方針で一致した。

 

資金洗浄やテロ資金供与の手段としてリブラが用いられる可能性が指摘され、各国の財務関係者から「金融市場に対する安全上の脅威」などと厳しい意見が相次いでいる。麻生大臣はリブラに対して、信頼性の高低は別問題としつつ、「利用者は、既存システムよりも安価なため、国際送金で役立つと考えているのではないか」などと寛容な発言を示した。

 

フォーブスがこれを報じ、「日本は決してドアを閉ざすことなく、より大きな安定性と信頼性に向けて、暗号資産業界の発展を考えている」と評価している。

 

◆麻生大臣の姿勢は

 

麻生大臣は5日、金融庁主催のFIN/SUM2019において、暗号資産に対する規制とリブラについて言及。

 

新しいデジタル通貨は既存の規制を遵守しているかどうかチェックする必要があり、既存の規制が想定していない新たな問題に対しても検討する必要がある、と発言。今後も暗号資産に対して慎重な姿勢をとっていくことを示した。

 

また、現行の暗号資産税制は「矛盾があり非合理的だ」として問題提起した藤巻元議員に対し、「暗号資産に活用されているブロックチェーン技術は、フィンテック分野で大きな可能性がある」とする一方、「所得区分については性質によって分けられる。特定の政策判断で決められるものではない」と、明確な言及は避けた。

 

※本記事は、2019年9月11日に「CoinPost」で公開されたものです。

 

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