中国の暗号資産格付けで上位にランクインする中華系ICOプロジェクト「GXChain」の事務所が中国の警察当局によって差し押さえられた。中国政府が導入した「社会信用システム」に関する個人データを無断販売したことが原因とみられる。

暗号資産格付けの上位ICOの事務所を当局が差押え

中華系ICOプロジェクト「GXChain」の責任者らが杭州警察当局による事情聴取を受けていることがわかった。すでに同社の事務所は差し押さえられているという。

 

GXChainは中国の暗号資産格付けで上位にランクインしていた銘柄で、中国で人気な暗号資産プロジェクトでもある。

 

中国の暗号資産・経済事情に詳しい中国人ファンドマネージャーDovey Wan氏はSNSにて、当局がGXChainのオフィスを封鎖している様子を伝えた。

 

警察当局が事務所の差押えに動いた理由は、暗号資産への取締りの一環としてではなく、「個人信用データ」を販売していたことが理由にあがる可能性があるという。

 

「なぜ他の1万件以上の詐欺ICOを取り締まるのではなく、GXChainに対して法的行動を起こしているのかまるでわからない。暗号資産事業ではなく、データ事業にも関わっている。GXChainは個人信用データを販売しており、このようなデータは中国では非常にセンシティブなことだ」と説明した。

 

中国政府は2014年より、「社会信用システム」という国民を評価する信用スコア体制を導入している。GXChainが仮に中国政府の許可を得ずに機密データの販売を行なっていれば、重大な責任を問われる可能性はある。

 

中国政府関連の公的機関が行なっている格付け「国際パブリックチェーンランキング」では、GXChainが上位10へランクインする常連の銘柄として取り扱われており、最新の8月版では9位から5位と順位をあげていた。

 

最盛期の時価総額は6億ドル、現在は4800万ドルの時価総額で推移していたが、ニュースを受け価格が急落し、前日比23%安を記録している。

 

※本記事は、2019年9月12日に「CoinPost」で公開されたものです。

 

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