世界トップレベルのカナダの「教育システム」
移民国家でもあるカナダは、ほとんどの学校で英語ができない留学生を受け入れてくれる点で、留学しやすい国のひとつです。
例えば、トロントの教育委員会によると、その学区の生徒の50%は家庭では英語以外の言語を話しているそうです。英語力に自信のない留学生のお子さまも、公立校でESL (English as Second Language)という英語を第二言語とする生徒たち向けのカリキュラムがありますので、カナダは留学初心者のお子さまにも比較的ハードルが低い国かもしれません(参照元:トロント教育委員会)。
カナダの教育システムは世界トップレベルと言われています。『US News & World 』によると、教育システムのランキング(2019年)では、英国、米国に続き3位となっています(参照元:US News & World)。教育水準の高いカナダでは、現地の人でも90%が公立校にいくというほどです。そのため、私立校の数も少なく、ほとんどのケースは公立校への留学になります。
カナダの学校は9月はじまりで、3学期制です。各教育委員会によって異なりますが、早いところでは2月頃に募集を開始します。ご家族で渡航の際、ビザの種類によっては入学時期をあまり問わないケースもありますが、一般的には9月の入学に向けて、1年くらい前から検討やご準備をはじめられるお客さまが多いです。
1学期:9月〜12月(クリスマス前まで)
2学期:1月〜3月末
3学期:4月〜6月(7月〜8月は長い夏休み)
日本の公立校の考え方と同じで、居住しているエリアの学校に通いますので、留学先の学校を選ぶということは、同時に居住エリアを絞り込むことにもなります。ここがカナダの留学の特徴です。エリアごとに存在する(日本でいうこところの)教育委員会と学校の手続きを行います。
通常、賃貸物件を見て決めたいお客さまの場合、住所が決まるのは渡航後です。多くのケースでは、渡航後に住居を契約して教育委員会へ入学手続きを行いますので、渡航後の段取りを考える必要があります。
ただし、渡航前のビザ申請では、学生ビザを申請しますので、その際に住所と学校名が必要になるという矛盾があるのが、カナダ留学。私たちも、カナダ留学の手続きの際には、この矛盾がうまく解消されるよう手続きと準備を重ねます。
また、州やビザの種類によっては、カストディアンと呼ばれる身元引受人を、移民局がビザ申請の際に求めていることがあります。このカストディアンはカナダで親代わりとなって病気・事故などの緊急時や生活全般に対応します。このカストディアンはカナダ人、または永住者である必要があります(カナダ以外ですとシンガポールが少し似た制度を持っています)。
何かあった時にお世話になる人ですので、ある程度信頼できる方にお願いができるよう、留学の際にはこうしたことも考慮に入れておくといいでしょう。
公立校の年間の授業料は約120万円前後
カナダはもともと保護者ビザ(親が子どもの留学に帯同するビザ)がない国です。結果的にビザの種類を組み合わせて、保護者が滞在できるようにアレンジしますが、ビザやカストディアンシップなど、特殊な仕組みに対応していくことは必要です。
留学で考慮すべき費用として、おおよそ下記のようなものが考えられます。
・学費(願書提出料、入学金、授業料など)
・住居費
・生活費(食費、通信費、水道光熱費など)
・交通費(公共交通機関または車の購入維持費)
・保険
・航空券
・初期費用(視察費用、ビザ申請費、不動産仲介手数料、渡航後の銀行開設などへの同行費等)
留学で初期費用以外にかかる費用として、最初に多くのお客さまが考慮されるのは、学費(授業料)と住居費です。カナダの場合、ほとんどの通学先は公立校ですので、(州や学区で異なりますが)年間の授業料は約120万円前後です(参照元:トロント教育委員会)。
住居費は、都市や立地、物件によって大きく変動します。
【当社のお客さま(母子2名)で中心地または人気住宅地を選ばれた場合の1ヶ月あたりの賃料の例】
・バンクーバー:ここ数年で賃料が上昇。3,000カナダドル
・トロント:上昇傾向で2,500カナダドル
・モントリオール:2,000カナダドル
※上記はハイグレード物件の一例です
生活費は東京とあまり変わらない感覚をお持ちの方が多いようです。
子どもの留学をきっかけとして両親の夢が動き出す
カナダは北米ということもあり、アメリカの大学へ進学を考える留学生が英語力アップで留学するケースが多くあります。当社のお客さまでも、カナダの高校を卒業して、アメリカの大学へ進学されるお子さまがいらっしゃいました(こうして手続きを通じて、お子さまのご成長を拝見させていただくのもスタッフの楽しみのひとつです)。
カナダに留学されるご家族の特徴で他の国と大きく異なるのは、お母さまの永住権申請希望者が多いこと。投資ビザ以外の通常の永住権申請においては、アメリカやオーストラリアなどが条件を上げて移住のハードルが上がっている中、カナダはまだ比較的移住のチャンスがある国だということが、ひとつ理由として考えられます。
永住権申請は決して簡単ではありませんが、長期滞在の中でそのチャンスが掴めるならとチャレンジされる方もいらっしゃいます。実際に当社のお客さまで、子育てと英語学校通学を両立され、カレッジ進学と就業を経て、永住権申請をされたお母さまがいらっしゃいます。今でも時よりご連絡をくださいますが、決して楽ではなかったとおっしゃいます。でも、本当にカナダが大好きでいらっしゃるのが伝わってきますし、日本と違った環境、人間関係を楽しまれています。
親子留学でお問い合わせいただくきっかけはお子さまの教育なのかもしれませんが、カウンセリングやサポートを通じて、ご家族を構成するお一人お一人と向き合わせていただきます。その中で、ひょんなことから、ご両親が描いていた夢や憧れを伺うことも少なくありません。
ご家族が留学や移住という手段を得ていただくことで、それぞれの目的が実現できること。このことこそが、私たちカウンセラーにとって非常に嬉しい瞬間なのです。