ボーディングスクールの「受験対策」…合否のポイントは?

近年、富裕層を中心に、子どもを幼少のうちに海外留学させたり、国内のインターナショナルスクールに通わせたりと、国際感覚を身に着けるための教育がひとつのトレンドになっている。本連載では、グローバルマーケットの第一線で活躍し、現在は留学サポート事業などを手がける株式会社ランプライターコンサルティングで代表取締役社長を務める篠原竜一氏が、グローバル人材を目指す富裕層の教育事情について、実体験も交えながら解説する。今回は、インターナショナルスクールやボーディングスクールの選び方を紹介する。

偏差値のないアメリカ教育…学校はどう選ぶ?

経験則から、インターナショナルスクールもアメリカのボーディングスクールも、学校選びはとても難しいです。偏差値を調べ、模擬テストなどを通じて、子供の実力に合った学校選びができる日本とは大きく異なります。偏差値に慣れ親しんだ日本人の我々にとって非常に難しいのが、インターナショナルスクール、アメリカのボーディングスクールに偏差値がないということです。

 

インターナショナルスクールの合否は、アプリケーションの審査を経て、子供のスクリーニングと保護者の面談を行い、総合的に判断されます。

 

たとえば1クラス20名×3クラスの共学の学校だとすると、男子30名、女子30名ということになります。日本人が約3割在籍する学校では、日本人の合格者は、男子9名、女子9名です。狭き門と言わざるを得ません。男子が入りやすい年もあればその逆もあります。受験する学校の教育方針をきちんと理解し、その方針に保護者が共感しているか、子供の成熟度が合否のカギとなるでしょう。英語については上級生になればなるほど学年に応じた英語力を求められます。

 

保護者は、共学、男子校、女子校、そして学校が掲げる教育方針、学校の規模、カリキュラムなどから学校選びをすることになります。インターナショナルスクール受験の日本人の応募者は年々増えており、難易度もどんどん上がっています。また、多くのインターナショナルスクールは保護者のどちらかが英語でのコミュニケーションをとることができることを望んでいます。保護者と先生とのコミュニケーションがとれないのが困るというのが主因です。

 

ボーディングスクールの合否は、学校の成績、SSATという共通テスト、TOEFL、学校の先生に書いてもらう推薦状、生徒本人が書くエッセイ、保護者が書くエッセイ、そして生徒の面接、保護者の面接を行い、総合的に判断されます。もちろん共通テストやTOFELの点数が高ければプラスになることは間違いありませんが、何よりも重視されるのは学校の成績だと言われています。学校の成績は日々の積み重ねです。ただ単に直近の成績がどうかだけではなく、学年が上がるにつれてどのように成績が推移しているかも重要です。

 

生徒、保護者は、共学、男子校、女子校、学校の規模、寮生の比率、留学生の比率、合格率、合格者のSSATの平均点、学校が掲げる教育方針、そして卒業後の進学先リスト、などから学校選びをすることになります。

 

偏差値のないアメリカの学校。様々なことを総合して志望校を選ぶ
偏差値のないアメリカの学校。様々なことを総合して志望校を選ぶ

経験則から伝授…ボーディングスクール選びのポイント

我が家の場合は、1)東海岸で共学の学校から選ぼうということになりました。そして、寮生活を通じて世界中に友人を作って欲しいと思い、2)寮生・留学生の比率が高い学校に絞っていきました。ここまでは割と簡単に決まりました。とても悩んだのが、3)学校の規模でした。

 

――大きすぎると競争が激しく、先生、友人との関係が希薄になるのではないか? 

 

――小さすぎると先生の人数も限られるので、やりたいと思っている大学レベルの授業が選択できなかったりすることもあるのではないか? スポーツ、クラブ活動も限られてしまうのでないか? 

 

ということで、平凡ですが、大きすぎず、小さすぎない学校を中心に選ぶことにしました。

 

保護者の面接、エッセイがどの程度合否に影響を与えるのかは定かではありませんが、きちんと準備し、保護者の想いを伝えることは重要です。

 

当時筆者は米系投資銀行日本支社の副社長でした。アメリカ人の中でも頭の回転の速い、超エリート軍団と対峙する日々。同僚の多くはハーバード、プリンストン、ブラウン、コロンビア大などアメリカの名門大学だらけ。筆者は少しの甘えも、矛盾も許されない職場で、毎日のように想定外のことが起こる中、自分で判断し、決断し、行動することを求められていました。採用では、学生を面接する立場でした。

 

こんな日々を送っていると、アドミッションオフィサーとの面接で緊張することはありませんでした。会社の同僚と比べると明らかに穏やかで、優しく、そして人格者の多いアドミッションオフィサーたちとの面接では自分が話したいことを堂々と話せたと思います。また、保護者のエッセイについても、どうやって、アドミッションオフィサーが長男のキャラクターを頭の中でイメージできるかに注意して書くことができたのではないかと思っています。

 

合格率については、ほとんどの学校で公表しています。合格者の平均SSATは公表している学校、していない学校様々で、あくまでも目安として考えるべきです。学校の教育方針は、ホームページを見る限り、どの学校も素晴らしいので、正直わかりません。やはり学校訪問するのが一番です。卒業生の進学先リストを見ても、甲乙つけがたいというのが正直なところでした。

 

総合的に合否を決めるということは、受験するサイドも総合的に学校を見るということが必要になります。どうすればこの学校に入れるかということばかり考えるより、

 

1)子供がどうしてこの学校に入りたいと考えているのか

2)保護者として子供をどうしてこの学校に入れたいのか

 

以上の2点を考えることが合格するポイントであり、そしてそれを言葉、文章で表現する力が合格のカギといえるのではないでしょうか。

 

 

株式会社ランプライターコンサルティング 代表取締役社長

1988年に日本興業銀行に入行。東京、ロンドン、ニューヨークにてグローバルマーケットビジネスに従事。ニューヨーク支店はワールドトレードセンターの50階にあり、2001年米国同時多発テロでは被災した。この時の壮絶な経験から多様性を学ぶ重要性を痛感し、05年にバンクオブアメリカ証券会社に転職。マネージング・ディレクターとして外国債券のセールス&トレーディングを統括。07年に取締役に就任、副社長として金利・債券ビジネス拡大に注力。バンクオブアメリカメリルリンチを経て、14年にクレディ・アグリコル証券に入社、債券営業統括部長に就任し、機関投資家向けビジネス拡大に尽力。18年末に退職、19年2月、株式会社ランプライターコンサルティングを設立。インターナショナルスクール進学、アメリカ留学サポート事業に加え、世界を舞台に活躍する人材育成事業を展開している。

著者紹介

連載世界を舞台にしたグローバル人材を育てる…富裕層によるエリート教育

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