米大手資産運用会社フィデリティの傘下企業「Fidelity Charitable」は、2015年から始めた暗号資産による募金が、1億ドル以上に達していると明らかにした。募金数が相場に相関する傾向があると関係者が説明した。

ビットコインなどによる募金が1億ドル超え

慈善事業を目的とする「Fidelity Charitable」の年度報告では、暗号資産による募金を2015年から開始して以来、1.06億ドル(110億円)に相当する募金が集まっていることが明かされた。

 

相場の影響もあり、暗号資産の募金数は年々減少しているというが、募金までのクリアな送金プロセスや簡易送金に優れる暗号資産の特性が利用される事例となっている。なお、募金数が最も増加した年は「暗号資産バブル」と知られる2017年で、計6900万ドルになったが、2018年ではその半分となる3000万ドルに留まった。

 

同社の関係者は「暗号資産の募金数は暗号資産の価格上昇に相関することがわかった」と説明した。さらに、価格が低下する時に暗号資産を募金しない傾向には、税金への考慮があると、Fidelity Charitableのマーケティング責任者Amy Pirozzolo氏が言及した。

 

◆暗号資産募金のメリット

 

Pirozzolo氏によると、暗号資産の募金は「資本利得税(Capital gain tax)」が免除される。そのメリットを享受するため、サービスを利用する人がいるという。

 

募金可能の銘柄はこれまでビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)とビットコインキャッシュ(BCH)だったが、年度報告書では5月にリップル(XRP)を追加したことが掲載された。

 

募金の大半はビットコインだったが、イーサリアムの増加も見られている。

そして、主に下半期に募金される傾向がある。

 

と、Pirozzolo氏は説明した。つまり、資本利得税の納税期限の1つである4月15日の前に暗号資産を募金する動きが多いと考えられる。

 

参考:Fidelity Charitable

 

※本記事は、2019年8月19日に「CoinPost」で公開されたものです。

 

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