アメリカの子どもの読書量は「日本人よりはるかに多い」!?

国際社会で生き抜くのはもちろんのこと、「格差社会」の日本で豊かに暮らすためにも、英語力は必須のスキルといえます。そこで本記事では、幼児英語教育研究家の三幣真理氏が、アメリカの教育と日本の教育を比較して解説します。

アメリカの学校は「リーディング教育」を重視している

日本では小学校から「お受験」が存在し、学校が終わると塾に通い、子どものころから日々熱心に勉強することが求められます。その点、海外の学校のほうが日本よりも自由に映り、「アメリカの子どもはさぞかし伸び伸びとした学校生活を送っているのでは」と思われるかもしれませんが、実は、アメリカの幼稚園や学校では読書が非常に重視され、例外なくよく本を読んでいます。

 

まず幼稚園で字の読み方を習い、小学校では読書の時間を設けるほか、「明日までに本を50ページ読んでくること」という宿題を出されたりします。アメリカの一人ひとりの子どもの読書量は、日本の子どもよりはるかに多いといっても過言ではないでしょう。

 

学校では皆が同時に同じ本を読むというわけではなく、レベルや興味に応じて各自本を選ぶことができます。教師は教室に本棚を置いたり、そのときどきで話題になっている本を紹介するなどして、生徒が好きな本を見つけることができるよう工夫しています。そして、ただ本を読むだけでなく、内容を短い文で要約したり、感想をまとめたりする力も求められます。

 

高学年になると、本を読んで調べものをし、教室で発表するという機会もあります。テーマとしては、低学年の小さい子どもでも、空想の世界や身近な出来事にまつわる物語ばかりを読んでいるわけではありません。

 

宇宙の成り立ち、環境を守る、先住民の暮らしといった内容を子ども向けにわかりやすくイラスト付きでまとめた本があり、子どもは本を通じて社会の出来事について学びます。アメリカの読書教育には、子どもに「クリティカル・シンキング」を身につけさせたいという目的があるようです。

 

クリティカル・シンキングとは、読んだことや聞いたことを文字どおりに受け止めるのではなく、「ほかの考え方もあるのではないか」「もっとよい方法があるのではないか」と、批判的な考え、つまり自分なりの意見を持つことを鍛えていくものです。

 

このクリティカル・シンキングを習得するには、世の中で何が起こっているのか、誰がどういう根拠でどのようなことを言っているのかをしっかりと理解し、頭の中で整理する必要があります。その力を育てるのに、大量の読書が役に立つと考えられているのです。

 

アメリカと同じ教育をすればいいというわけではありませんが、本を読む習慣を大切にすること、自分なりの考えを持つ姿勢を身につけることは、日本でバイリンガル教育をする際にも参考にしていいのではないかと思います。

知育おもちゃで遊びながら英語の読み方を覚えていく

文字を見て「聞く」「読む」のをサポートする教材の一つとして、大手学習塾が採用しているペン型リスニング機器があります。教材にイラストとそれを表す単語や文があり、音声マークをタッチすると、その単語や文の音声が流れるというものです。

 

子どもは音声を聞きながら、そっくりの発音で言えるようまねをします。イラストがあるので日本語を介さなくても意味を理解することができるようになり、文字を見てつづりも一緒に覚えることができます。慣れてくると、音声を聞かなくても、イラストや文字を見ただけで、すぐに声に出して読むことができるようになります。

 

例文は普段の生活の中で使いやすいものばかりで、テキスト5枚で物語や対話になっています。一つひとつの文を覚えるだけでなく、一定のシチュエーションの中での文の使い方を学ぶのです。私が調査のために学習塾を訪問したときは、同じ教室の中でも子どもによってまったくレベルが異なる教材に取り組んでいて、幼稚園児が中学生の教科書レベルの問題をこなしていたり、小学生が高校生レベルの問題に取り組んでいたりしました。

 

こういった自習型の教材は、やはり自分のペースで進められるところが強みだと思います。また、教室と自宅で15〜30分毎日英語に触れるよう指導しているところも、参考になりました。家庭でも、英語絵本を使って、文字を見ながら音を聞く、その次に字を見ながら声に出して読んでみるという練習をするといいでしょう。

 

最初はdog、birdといった短い単語から入り、次第に文の単位で読めるようになるといいと思います。少しずつでも、毎日続けることが肝心です。音が出る教材としては、アメリカではタブレット型のおもちゃが人気です。

 

文字をペンでなぞるとアルファベットの発音を聞くことができ、お話を読んだり歌ったりする声を聞くこともできます。子どもにとってこれは基本的におもちゃなので、勉強ということを意識せず、自然に文字の読み方を覚えていくことになります。

 

アルファベットのカードと機械がセットになっていて、AからZまでのカードを機械に差し込むと、アルファベットとそれを使った単語の発音をしてくれるおもちゃも定番です。日本の子どもが音の出るおもちゃを使いながら言葉を覚えていくように、アメリカの子どもたちもこういったおもちゃを使って読み方を習うのです。

幼児英語教育研究家

ヒューストン生まれ。4歳で日本に帰国したのち、12歳でカナダへ。慶應義塾大学理工学部入学後、環境情報学部へ転籍。フランス語(第一外国語)、イタリア語(第二外国語)を学び、語学への理解を深める。卒業後は、日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社勤務、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。
現在は、敬愛大学でSkype英会話の講師を務めるほか、幼児英語教育研究家として子どもたちの英語教育に携わる。日本人男性との間にもうけた一女をバイリンガルに育て上げた。

http://life-produce.jp/

著者紹介

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三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

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