下落相場でも負けない!日経平均が下落する非常事態モードの対応法

※本記事は、2019年8月8日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

NYダウ平均株価が下落し、世界株安が広がっています。日経平均株価は、2万円を割る可能性もありますが、長期的に見れば、3万円に向かうという見解を示す専門家もいます。一方で過去のデータから推測すると、さらに下落し1万円割れとなってもおかしくありません。先行きが見えない中、どのように対応すればよいでしょうか。

今の日本株は「平常モード」

日本株は、個別銘柄の動きを見る限り、2018年前半をピークに、下落に転じているものが目立つというのが筆者の実感です。ただし、まだまだ上昇トレンドが続く強い銘柄も多いです。

 

このように、今の日本株は、銘柄によって値動きはバラバラではあるものの、全体で見ればここしばらくは横ばいでとどまるとの見方が当てはまります。

 

上がる株も下がる株もあるため、なかなか大きな利益を上げることは難しい環境ですが、かといってどんどん損失が積み上がるような状況でもない、どっちつかずの状況です。これは今の日本株が「平常モード」にあることの表れです。

株価の動きには「平常モード」と「非常事態モード」がある

筆者は、株価の動きには「平常モード」と「非常事態モード」があると思っています。平常モードとは、株価が上昇している、もしくは横ばい、あるいは株価が下がっているもののその勢いはゆるやかである、という状況です。

 

一方の非常事態モードとは、株価が短期間で大きく値下がりするような状況です。2008年のリーマン・ショックのときや、2000年のITバブル崩壊後の下落、1990年のバブル崩壊後の下落などです。近年では2016年初頭のいわゆるチャイナ・ショックも、非常事態モードに近い状況だったといえます。

 

平常モードでは、多少リスクの高い行動をしても、相場環境が良好なため、致命的な失敗にはつながりません。例えば、株価が値下がりしても我慢して持ち続けていれば回復することも多く、株価下落時に買い向かっても、その後株価が上昇して利益を得ることもできます。

 

しかし、ひとたび非常事態モードに突入すると、そうした行動が命取りとなりかねません。値下がりを続ける株を持ち続けたり、値下がりしている途中で買い向かったり、ナンピン買いとさらなる株価下落などで、非常に大きな損失を被る可能性が高くなります。

運用成果が大きく動くのは「非常事態モード」のとき

2008年のリーマン・ショックの経験。株式投資を10年以上続けている方であれば、リーマン・ショックの恐怖は、言葉では伝えきれない出来事であったかが分かると思います。

 

ところが、2013年以降の、いわゆるアベノミクス上昇相場になってから株式投資を始めた方は、リーマン・ショック級の株価下落が起きた時、自分の財産がどれほど毀損する恐れがあるか、あまりピンとこないと思います。

 

リーマン・ショック級の株価下落が来るかもしれないなど考えたことがない方も多いのではないでしょうか。言い方は悪いですが、非常事態モードを経験していない方の中には、株式投資を少し甘く見ているのではないかと思わざるを得ない投資スタイルを持っている人も少なくありません。その最たる例が、株価が下落しても我慢して持ち続けているケースです。

 

実は株式投資の運用成果は、非常事態モードの時に大きく変動するといっても過言ではありません。いくら平常モードをうまく乗り切ったとしても、非常事態モードになったときに大きな損失を被ってしまっては元も子もないのです。

 

実際、2008年のリーマン・ショックでは、多くの個人投資家が壊滅的なダメージを受けてしまいました。レバレッジをかけていたならば、一瞬にして全財産を失った人も数多くいます。恥ずかしながら筆者も、自身に課している守るべきルールを守らなかったがために、大きな損失を被ったのです。

将来の株価を予想するのはハイリスク!

ある専門家は、日経平均株価が近々3万円に達するとして、その根拠を示しながら見解を述べています。

 

一方、筆者が先日のコラムで示した通り、日経平均株価はバブル崩壊後の30年の間に3回、高値から60%以上の下落をしています。今回の高値(2018年10月)から60%下落すると、日経平均株価は1万円を割り込む計算となります。

 

このように、日経平均株価の動き1つとっても、全く異なる予想が導かれます。個人投資家の皆さんとしては、「いったいどうすればよいの?」と戸惑ってしまうかもしれません。

 

では、日経平均株価が3万円に達するという予想を信じればよいのでしょうか?それとも1万円まで下がる可能性を重視すべきなのでしょうか?

 

筆者はそのどちらの考え方も非常にリスクが高いと思います。日経平均株価が3万円に達すると予想したものの逆に1万円にまで下落したら、大きな損失を被る可能性が高いです。日経平均株価1万円割れを警戒したものの逆に3万円に達したならば、利益を得る機会を失うことになるからです。

個人投資家が取るべき現実的な対応方法とは?

筆者は「株価が上方向、下方向、どちらに動いても対応できる」方法を実行すべきと思っています。

 

そのためには、株価のトレンドに逆らわずについていくことがとても重要です。もし日経平均株価が3万円を目指すならば、株価は上昇トレンドを描くはずです。そうなれば買いで対応すればよいのです。

 

逆に日経平均株価が1万円を目指して下落していくならば、株価は下降トレンドを描きます。そうなれば、株価はさらに下落する可能性が高いので保有株は売却してキャッシュ比率を高めておくようにします。

 

個人的には株式マーケットはバブルであると思っていますが、バブルがさらに延命される可能性も否定できません。したがって、株価がどう動くかを予想したり、将来の株価を決めつけるのではなく、臨機応変に株価の実際の動きに沿った行動を心掛けるようにしましょう。それが大きな失敗から自身の財産を守ることにつながります。

 

 

足立 武志

足立公認会計士事務所

 

※本記事は、2019年8月8日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

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