40年ぶり高値!それでも「金投資」がメジャーになれないワケ

約40年ぶりの高値水準で推移する金の取引価格(田中貴金属)は8日、1グラム=5,572円とさらに上昇しました。9日は5.554円と少し落ち着きましたが、それでも8日にのせた5,500円台は保っています。「有事の金」と呼ばれ、市場のリスクが高まるときに価格上昇する傾向が有名ですが、実はそのマーケットはそれほど大きいものではありません。その理由を解説します。

投資対象としての「金」の特徴…インカムゲインがない

投資対象としての「金」の大きな特徴として「インカムゲインがない」ということです。投資でお金を得る方法は、大きく①キャピタルゲイン、②インカムゲインの2つに分かれます。

 

キャピタルゲインとは、購入した投資対象を売却する際に得る売却益のことです。例えば、1グラム=3,000円のときに金100グラムを300,000円で購入し、1グラム=5,000円となったときに500,000円で売却したならば、200,000円の売却益が出ます。これがキャピタルゲインです。

 

インカムゲインとは、購入した投資対象から定期的に得られる収入のことです。例えば、不動産投資ならば家賃収入があります。債券を購入していれば、利息が入ってきます。株券ならば配当があります。投資信託にも分配金があります。ところが、現物である金にはインカムゲインはありません。持っているだけでは何も生まないのです。

 

それでは、円やドルなどの「現金(マネー)」はどうでしょう。持っているだけでは何も生みませんが、銀行に預金することで利息を得ることができます。金(ゴールド)の場合、預けても逆に保管料が取られてしまいますね。

スマホやPCにも「金」は使われている

一説によると、地球上にある金の量を集めてもオリンピックサイズの50mプール3杯分しかないそうです。意外と少ない印象ですが、世界の人口は年々増加し、富裕層も増えていきますので希少価値という側面から考えれば、金の価値はまだまだ上昇する、と考えるのが普通かもしれません。

 

アクセサリーとしての需要はもちろんですが、金は錆びにくく、高速で電気信号を伝えることができるという性質があるため、半導体やプリント基板などにも使われています。スマホやPCにも微量の金が含まれているため、リサイクル業者は、その製造過程の廃棄物からさえも必死で集めるのです。

 

現金(マネー)それ自体に価値はありませんが、金(ゴールド)は「美しい」というだけでなく、実際に産業的な価値も有しているのですね。

「金」が上昇中の現在は、やはり大恐慌前夜なのか?

米中貿易摩擦、各国で実施される金融緩和、ジョンソン首相の就任でますます現実味を帯びてきたブレグジット、破綻危機が囁かれるドイツ銀行……と、悲観的要素がにぎわう市場では、「世界大恐慌前夜」などと、まことしやかに噂する人まで現れはじめました。

 

大恐慌になると多くの金融資産の価値はガタッと下がることが予想されるため、価値が落ちにくいといわれる金が買われやすくなります。

 

「有事の金」と呼ばれ、今回も高値圏に突入したことでニュースになっているわけですが、前述したとおり地球上にある金の量を集めてもオリンピックサイズの50mプール3杯分くらいしかなく、実はそのマーケットは他の株式市場などと比べると、大変小さいのです。有名ではあるものの、投資対象としてそれほどメジャーではありません。

いますぐ「金」を買う前に考えておきたいこと

今回のように高騰がニュースになると、状況的には買いたいのだけど「高値づかみしてしまうから、ちょっと下がるまで待とうかな」と考え、結局動かない人は多いと思います。

 

そういう人は、毎月一定の額を買い増していく積立投資をするといいでしょう。この方法は対象が金でも有効です。たとえ価格が下落しても、その分、その期間は多く買えるというだけです。いわゆるドルコスト平均法ですが、長期間続けるほど効果は出やすいため、現在の価格が高値圏であっても「いますぐ」はじめるメリットはあります。

 

とはいえ、金の場合、取引手数料がある程度かかるので、毎月取引をするドルコスト平均法では、その分コストがかかるというデメリットもあります。

 

そこまで考えると、法令上、手数料ゼロ円で非課税枠もある「つみたてNISA」で投資信託に長期積立投資を行ったほうが、大恐慌が起きたとしても「大バーゲンセール」で大量に購入できて、最終的に資産形成できるのでは?……という考え方をする投資家が多いので、インカムゲインもない「金」のマーケットはそんなに大きくならないのです。

 

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

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