年収1000万円を超えるような高額所得者である医師にとって、投資用不動産は資産形成に効果的な商品の1つです。本記事では、不動産投資のプロである鉄羅敦士氏が、実際に請け負った事例を紹介します。なかなか見る機会のない「医師のキャッシュフロー」を覗いてみましょう。

物件8棟、総額「11億円分」を購入した事例

不動産投資によって資産形成をされている医師の方の事例をご紹介しましょう。投資の目的や目標は人それぞれですが、参考になるものがあるはずです。

 

【Aさんの場合】万が一に備えて、家族に年収分の収入を残す

 

[図表1]都内で勤務医として働くAさん
[図表1]都内で勤務医として働くAさん

 

都内で勤務医として働くAさんは、奥様と2人のお子さんに「万が一のとき、年収分の収入が得られるように」との思いから、不動産投資を始めました。2016年に投資を開始した頃は、手持ち資金も少なかったので、自己資金を抑えられるフルローンや、諸経費込での融資が出る金融機関を選択する必要がありました。

 

そこで、現在の自分の居住地、年収などでどんな金融機関が合うのか、リストアップすることから始めました。具体的には、都内在住なので、一都三県の地銀やメガバンクを中心に融資を打診しました。また、各金融機関の好む物件として、新築木造や中古RCを法人で購入。消費税還付を受けるため、物件ごとに法人を設立して購入しています。投資を始めてから3年の現在は、諸経費分程度が回収できているという状況です。今は3法人で3物件購入していますが、今後も物件ごとに法人を設立する計画を立てています。

 

また、今後も現在付き合いのある3銀行で買い進める方針です。各銀行から1~3年程度に1棟ずつは買えると言われているので、5~10年目には、目標の年間キャッシュフロー1500万円に到達することを目標に、事業拡大中です。Aさんは目標が非常に明確で、自己資金を温存しつつ買い進めることができています。ご自身でしっかりと投資判断をされており、とても理想的な進め方だと思います。このまま拡大でもいいと思いますが、少しずつ低リスクの不動産も組み込んでいけるとより安定するはずです。

 

【Bさんの場合】堅実に投資を拡大して目標達成

 

[図表2]開業医として2500万円の年収を得ているBさん
[図表2]開業医として2500万円の年収を得ているBさん

 

開業医として2500万円の年収を得ているBさん。自分と家族の将来の安定した生活のため、また相続税対策のために、リスクの低い不動産投資物件を決めました。投資を始めるにあたって「早期に規模拡大をし、目標を達成したい」「空室リスクを抑えるために23区内の物件を購入する」という方針を決めていました。

 

まずは23区内に強い金融機関をピックアップし、積算というより金融機関の評価の出る物件を、できるだけ自己資金を抑えながら購入していきました。東京23区内、駅徒歩10分以内の物件を選び、2008年から8棟11億円分を購入。現在は元本返済分が2億円となっています。現在お付き合いのある金融機関は3つで、3年目以降は同じ金融機関で融資を受けました。10億円分の物件所有という目標を達成したため、今後はより安定性が高く、リスクの低い投資を拡げていく予定です。

 

状況によっては20億程度を目標にすることも検討されています。Bさんの場合、目先のキャッシュフローではなく安定性や資産性を重視されているため、金融資産の伸びは大きくないものの、堅実です。当初の目標を達成されていますので、より良い場所への資産組み換え、物件を売却しての現金化、医業のリタイヤなど、選択肢が広がります。

「働かずに、時間も掛けずに資産を増やしたい」事例

【Cさんの場合】一度は八方塞がりになるも軌道修正に成功

 

[図表3]「働かずに、時間も掛けずに資産を増やしたい」と思っていたというCさん
[図表3]「働かずに、時間も掛けずに資産を増やしたい」と思っていたというCさん

 

「働かずに、時間も掛けずに資産を増やしたい」と思っていたというCさん。2015年、電話で不動産投資の勧誘を受けたことから、都心・駅近の区分マンションを1戸、地方の築古RCと鉄骨の2棟3億円分も購入しました。物件は高利回りでしたが、借入の金利は4.5%。購入後は、空室、広告費、修繕などがかさんで利益がほぼ出ず、収支はマイナスとなっていました。

 

どうにかキャッシュフローを改善しようとしたものの、耐用年数以上のローンを組んだ物件が多かったため、新たな借入も起こせません。多くの不動産投資セミナーや不動産屋に相談し、これからどうしたらいいのかと、頭を抱える日々でした。

 

結局、このまま物件を保有していても資産はマイナスになるだけだと腹を決め、一度リセットし、新しい銀行や物件にチャレンジしていくことにしました。まず、区分マンションは購入時と同じ価格で売却できたため、諸経費分のみのマイナスで済みました。鉄骨は1000万円の手出しをして売却。

 

築古RCの方は売却するには数千万円の手出しが必要だったため、都銀で借り換えを行いました。自己資金は2000万円から500万円に減ったものの、資産負債のバランスが良くなったことで、新たな借入を起こすことができるようになりました。現在は2つの金融機関で2棟購入、借り換えたものも含めて4億円分の物件で、キャッシュフローは年間400万円出るようになっています。金融資産も現在1000万円程度まで持ち直しました。今後も、現在お付き合いのある金融機関で、少しずつ投資を拡大していく予定です。

 

Cさんは、まさに不動産投資の入り口で、受け身になって買ってしまったため、望まない投資をしてしまいました。しかし、目的や目標を明確にして一度リセットしたことで、うまく軌道修正ができた好例です。今後は順調に資産構築されていくことと思います。

 

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    鉄羅 敦士

    幻冬舎メディアコンサルティング

    年収1000万円を超えるような高額所得者である医師にとって、投資用不動産は資産形成に効果的な投資商品の一つです。 不動産投資には、継続的に賃料収入が得られるほか、借入で始められてレバレッジをかけられたり、保険代わり…

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