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国債利回りは低下傾向
FRBの利下げ観測などが背景
■19年の米国の10年国債利回りは、低下傾向にあります。年初は2.7%前後の水準で推移していましたが、その後低下しました。足元では2.1%前後の水準で推移しています。
■米中貿易摩擦などを受けて世界経済の減速懸念が強まったことや、インフレが落ちついていること、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が高まったことなどが背景です。
![[図表1]米国の政策金利と国債利回り (注1)データは2018年1月1日~2019年7月30日。 (注2)FF金利はフェデラルファンド金利で、FRB誘導目標値のレンジ上限を図示しています。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/3/0/500/img_303e5d495e1ccd94e7c4eccd8ab281b347759.jpg)
(注1)データは2018年1月1日~2019年7月30日。
(注2)FF金利はフェデラルファンド金利で、FRB誘導目標値のレンジ上限を図示しています。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
社債も総じて堅調な動き
リスクオンや利回り追求などが背景
■19年の社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)は、18年末から続く株価下落局面のなか、年初こそ、投資適格社債・ハイイールド社債ともに、大きく拡大した状態にありましたが、その後は振れを伴いつつも縮小傾向で推移しています。
■FRBによる利下げ観測の高まりなどを受けて株価の上昇などのリスク選好の動きが強まったことや、国債利回りの低下を受けて利回り追求の動きが強まったことなどが背景です。
![[図表2]米国債と社債の利回り格差 (注1)データは2018年1月1日~2019年7月30日。 (注2)対国債利回り格差は、社債利回りと国債利回りの差。Bloombergバークレイズ米国社債指数ベース。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/c/5/500/img_c5f7b9011af48b177cc7e4d8fa8070b860716.jpg)
(注1)データは2018年1月1日~2019年7月30日。
(注2)対国債利回り格差は、社債利回りと国債利回りの差。Bloombergバークレイズ米国社債指数ベース。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
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7月と9月のFOMCでは予防的利下げへ
■米景気は今のところ個人消費が堅調なものの、米中通商政策に起因する下方リスクを重視して、本日(7月31日)および9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では予防的な利下げが実施されると見込まれます。米国の長期金利は当面低位での推移が続くと予想され、その後は、景気の持ち直しとともに緩やかに水準を切り上げていくとみられます。
■社債スプレッドについては、一段のスプレッド縮小余地は限定的と考えられる反面、主要中銀がハト派的な金融政策にシフトするなかでは、社債スプレッドの大幅な拡大も見込み難いことから、レンジ圏での推移が予想されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『本日のFOMCでは予防的利下げへ』を参照)。
(2019年7月31日)
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