日銀は追加緩和余地を強調

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

現状の金融政策を維持

フォワードガイダンスも変更なし

 

■日銀は30日、金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度とする金融調節を維持しました。また、長期国債を買い増すペースを年間で約80兆円を目途とすることや、上場投資信託(ETF)やリートの買入れ方針も据え置きました。

 

■注目されたフォワードガイダンス(先行きの指針)も変更ありませんでした。

 

政策金利と消費者物価指数

(注)データは2015年1月~2019年7月。  消費者物価指数は2019年6月まで。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注)データは2015年1月~2019年7月。
   消費者物価指数は2019年6月まで。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

物価見通しを一部引き下げ

成長率見通しも一部引き下げ

 

■日銀は3カ月に一度の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を公表しました。消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率見通しを19年度1.0%、20年度1.3%とし、前回4月からそれぞれ0.1%引き下げました。21年度は1.6%と据え置きました。

 

■景気については21年度までの期間を通じて、拡大基調が続くとの認識を維持しました。成長率見通しは19年度0.7%、20年度0.9%、21年度1.1%とし、19年度と21年度を前回4月からそれぞれ0.1%引き下げました。

 

政策委員の大勢見通し

(注1)大勢見通しは、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて幅で示したもの。 (注2)前年度比、単位は%、<>内は政策委員見通しの中央値。 (出所)日本銀行の公表資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注1)大勢見通しは、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて幅で示したもの。
(注2)前年度比、単位は%、<>内は政策委員見通しの中央値。
(出所)日本銀行の公表資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

日銀は追加緩和余地を強調

 

■今回は声明文と展望レポートに、「特に、海外経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクが大きいもとで、先行き、「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れが高まる場合には、躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じる」との文言が追加されました。日銀が景気や物価の下振れリスクへの警戒姿勢をこれまで以上に強めていることを示すと同時に、追加緩和のハードルは高いとの市場の見方に対して牽制する狙いがあると考えられます。今後米国や欧州の中央銀行が金融緩和に踏み切るとみられるなかで、金利差縮小からくる円高圧力を和らげるため追加緩和余地を強調したと思われます。

 

 

(2019年7月30日)

 

関連マーケットレポート

2019年7月26日 ECBは追加緩和を示唆(2019年7月)

2019年7月12日 『FOMC議事要旨』、7月末に予防的利下げへ

 


調査部は、総勢25名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友DSアセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約1,000本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2018年度実績)。

著者紹介

連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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