「モノなしマルチ商法」が増加傾向
SNSなどを通じた形のないマルチ商法「モノなしマルチ商法」が流行、20代・未満の若者を中心に相談件数が増加している。
29日、国民生活センターが「友だちから誘われても断れますか? 若者に広がるモノなしマルチ商法に注意!」と題した注意喚起情報を公開した。
健康食品や化粧品などの「商品」を契約し、自身が組織の勧誘者となり紹介報酬を得る商法として流行した「マルチ商法」。近年では、ファンド型投資商品や副業などの契約を紹介するマルチ商法の相談件数が増加している。
2018年度の最新データでは、全相談件数10,526件に対して、その半数となる5,490件が「モノなしマルチ商法」に関する相談件数だ。
国民生活センターでは、形(商品)があり商品を販売するモデルをマルチ商法、形がなく「役務」の契約を勧誘するモデルを「モノなしマルチ商法」としている。
特に2017年度から2018年度にかけて増加したのが、若者層の「モノなしマルチ商法」に関する相談件数だ。
なお、2018年度にかけて、「モノなしマルチ商法」の相談件数が増加した背景には、暗号資産を含めた投資やアフィリエイトなどの儲け話があるという。
相談事例には、海外の不動産に投資をすれば暗号資産で配当が得られる仕組みがあるといった内容を、借金返済の埋め合わせができるとした甘い言葉と共に勧誘したものや、配当型の暗号資産ウォレットのアフィリエイトを勧誘した事例などが挙がった。
配当型ウォレットでは、紹介したアフィリエイターによって配当は異なるものの、7万円コースで儲けの40%、21万円コースで80%と、若者でも投資できる範囲の金額で勧誘し、アフィリエイターになるプランの提案も行うものだという。
このような相談件数の増加を受け、国民生活センターでは、実態や仕組みが分からない「モノなしマルチ商法」は契約しないよう警告しているほか、友だちや知り合いから勧誘された場合も、容易に契約を行わないよう注意してほしいとアドバイスした。
トラブルに巻き込まれた際などは、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話し、相談することができる。
参考資料:国民生活センター
※本記事は、2019年7月29日に「CoinPost」で公開されたものです。