入居者が目にする玄関まわりをプチリフォーム
賃貸経営では、物件の経年劣化は避けられません。そのせいで入居率が低下することもあります。部屋を借りる側からすれば、少しでも新しい物件に住みたいと考えるのは自然なことだからです。そこで少ない費用で高級感を演出する、プチリフォームを紹介していきます。
■玄関ドアにオシャレで機能的なシートを貼る
築30年前後の物件の玄関ドアは、無機質な単色で塗られたものが少なくありません。デザインや機能が多様化する現在においては、無機質さは物件の魅力を半減させてしまうことにつながります。たとえば、ドアに木目シートを貼ると、温かみを感じさせてくれるだけでなく、高級感もプラスされます。また、最近のシートは表面が耐候性や耐久性に優れたフッ素加工なので、傷や汚れにも強くなります。
■汚れたネームプレートをハイセンスなものに交換
最近は防犯意識の高まりから、集合ポストがあるマンションやアパートでは、居室玄関前のネームプレートに名前を書く人が減りました。昔のネームプレートにはNHKや電力、ガス会社のステッカーが貼られていて汚らしく見えるものもありました。目線の高さにあるネームプレートは清潔感を左右するので、キレイなものと交換しましょう。部屋番号だけを明示し、重厚感を持たせるデザインにするなど、オーナーのセンスが問われます。
■ネット通販拡大で宅配ボックスが必須に
ネット通販の普及で、家電や日用品もネットで購入する人が増えています。忙しいビジネスパーソンや女性にとって、宅配ボックスの存在は賃貸物件選びの必須項目です。ほかと差別化するために、優先的に導入するべきものともいえます。集合ポストとセットでデザイン性の高いものに交換すれば、エントランスの印象は大きく変わります。グッと明るい雰囲気が演出できれば、空室率の低下に役立つはずです。
■エントランスをランクアップして高級感を出す
アパートやマンションの「顔」となるだけでなく、入居者が毎日必ず通るのがエントランスです。日当たりや人の出入りが多ければ、その分、劣化は激しくなります。また、新築時にはデザイン性が高いものでも、時代の変化とともに、悪趣味なものになることもあります。たとえば、扉を重厚感のあるデザインのものに取り替えて、タイルの色や材質を、それに合わせたものに交換するだけで、エントランスの印象は一気に高級感が増します。資金に余裕があれば、壁や柱に大理石を貼って、間接照明を落としてみましょう。
また、防犯性を高めるために、自動ドアやオートロック、電子錠つきのものにグレードアップすれば、物件の資産価値が高まります。
安全性もプラスして入居者の満足度を向上
■階段と廊下に防滑シート
清掃が行き届いていないコンクリートの階段や廊下は、雨が降ると滑って転んでしまうことがあります。防滑シートを設置すると、入居者の安全に配慮できるだけでなく、清潔感や美観まで向上させる効果があります。コンクリート打ちっぱなしは、デザイナーズマンションでしばしば用いられるなど、オシャレな面もありますが、あくまでそれは新しい間だけの話です。古くなると、全体的に暗い雰囲気になってしまうことがあります。防滑性ビニルシートには、「滑らない」「音が響かない」「汚れにくい」という特徴があります。工期も短いので、入居者に迷惑をかけることもありません。
■壁を子どもや若い女性に人気の黒板に
最近、DIYで人気なのが、塗っただけで壁が黒板になる塗料です。チョークで書き込むこともできますし、磁石で紙などを貼り付けることもできます。「黒板」というと、学校の教室で見た、あの黒い壁をイメージしがちですが、最近は青やピンクなど、明るい色の塗料も出ていて、部屋の雰囲気が暗くなることもありません。チョークでいろいろ書き込めば、カフェのような雰囲気になるため、若い女性に人気です。オーナー自身がDIYでやればコストダウンにもなります。
さて、今回は高級感を生むためのちょっとしたリフォームについて考えてみました。何事も創意工夫です。ちょっとしたアイデアが物件価値を維持し、向上させることになるのです。