英国の次期首相に保守党の新党首に選出されたボリス・ジョンソン氏が就任する。2016年6月に国民投票で決定した「ブレグジット(EU離脱)」に向けて足を早める構えだが、「合意なき離脱」に陥る可能性も高まりそうだ。ジョンソン氏の首相就任を踏まえ、過去の英首相交代時の英ポンド、ユーロの値動きをみていこう。円建てでみるとドルと円の関係でも大きく左右するので、実際の価値の上下を見誤らないため、ドルを中心とした。

国民投票、キャメロン首相が辞意…2016年6月

2016年6月23日、英国で行われた国民投票の結果、EUからの離脱(ブレグジット)が決まった。翌日の24日、キャメロン首相が辞意を表明した。この月の英ポンドの値動きをみてみよう(数値の出所は全てYahoo!ファイナンスより)。

 

ポンド/ドルでは、この月の始まりが1.45ドルであったが、1.33ドルまで落ちている。

 

同時期、ユーロ/ドルは、始まりが1.13ドルから、終わりは1.11ドルで推移していた。

テリーザ・メイ首相が就任…2016年7月

翌月の2016年7月13日、キャメロン首相の辞任を受け、メイ首相が就任した。メイ首相はサッチャー首相に続く、2人目の女性の英首相であった。このときジョンソン氏が外相に就任している。国民投票の次月のことである。

 

ポンド/ドルは始まりが1.33ドル、終わりが1.32ドルで推移。

 

ユーロ/ドルは始まりが1.11ドル、終わりが1.12ドルであった。

メイ首相が辞意を表明…2019年5月

およそ3年後、合意なき離脱を避けるために尽力したメイ首相であったが、ついに辞意を表明する。この月のポンドの値動きをみてみよう。

 

ポンド/ドルは始まりが1.30ドル、終わりが1.26ドルで推移。

 

ユーロ/ドルは始まりが1.12ドル、終わりが1.12ドルであった。

ボリス・ジョンソン氏の首相就任でどう動く?

国民投票からおよそ3年が経過した現在、ポンド/ドルは当時の1.45ドルから1.24ドルまで下落している(7月24日現在)。ユーロ/ドルは1.13ドルから1.11ドルと大きな変動はない。

 

ボリス・ジョンソン氏は足早にブレグジットを進めていく構えだが、「合意なき離脱」は避けられるのか? 今後の動きに注目したい。

 

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