宿泊人数の自由度が高いのも「民泊」の特徴
安倍政権の「国家戦略特区」によって、首都圏での民泊が合法化され、一般的なアパートやマンションを宿として提供することが可能になりました。
たとえば、旅館やホテルのようなフロント施設がないところでも、個人間の合意で泊まれるようにルールが緩和されています。これまでもホームステイのように、一般の家に個人が泊まるというかたちはありましたが、民泊が合法化されたことによって、「丸貸し」、つまりホテルや旅館と同様に部屋を独占的に貸し切るかたちでマンションやアパート、戸建てに泊まる場合もOKになります。
今後たくさんの民泊が増えていく中で、1つ気がかりなのは、従来のホテルや旅館と客の取り合いにならないかという点ですが、これについてはまず心配は要らないと言い切れます。なぜなら、民泊には「宿泊人数の自由度が高い」という特性があるからです。
通常のホテルの場合、1室は1人または2人用としてつくられています。そのため、宿泊人数も1人か2人が基本です。
一方、民泊はアパートやマンションの1室、もしくは戸建てをまるごと貸し切るのが基本なので、物件の広さに合わせて3〜4人、またはそれ以上で泊まることも大いに可能です。5人や10人といった人数で泊まれるホテルはそうありませんから、グループ旅行のニーズを逃すことがありません。
5〜15人程度のグループ旅行に適している「民泊」
具体的な例を挙げてみましょう。10人のグループで旅行したい中国人観光客がいたとします。日本で1週間程度のグループ旅行を考えているけれども、通常のホテルを予約していたら予算がいくらあっても足りません。これまでなら、仕方がないから諦めてほかの国にしようという話になっていたかもしれません。
しかし、民泊で10人以上が泊まれる宿があったら、どうでしょうか。2人用のホテルを5室取るより、10人で1つの民泊に泊まったほうが確実に料金は安く抑えられます。そうであれば彼らは迷わずに日本を訪れるでしょう。
また、アジアの旅行者には、三世帯や複数家族で旅行し、できるだけ同じスペースを共有したいので、共有リビングの広いAirbnbを選ぶという方もいます。
このように、5〜15人程度のグループ旅行では、ホテルよりAirbnbのほうが適していることがあります。実際、筆者の会社で管理している民泊物件でも、5人以上で宿泊できる物件は価格も安く、高い稼働率を誇っています。