実際の証券番号を公開!? 四季報で「大化け株」を見つける方法

日本の上場企業の情報誌、「会社四季報」。投資のプロフェッショナルとなるためには必須の1冊であり、そこには「世の中の流れ」を把握するためのノウハウが詰まっています。本連載では、複眼経済塾代表取締役塾長であり、20年以上会社四季報読破を続ける渡部清二氏の著書『「会社四季報」最強のウラ読み術』(フォレスト出版)から一部を抜粋し、投資家にとって「会社四季報」が有用である理由や、実際の読み方など、幅広く解説します。

まずは「証券コード・社名」欄を眺めてみる

四季報は、企業ごとの記述がAブロックからNブロックまで分かれています。たとえばAブロックには、証券コードが振られた企業名と設立の年月、上場の年月、事業内容などが紹介されています。このAブロックを見ているだけでも、その企業のさまざまなことを知ることができます。

 

私は当時、とりあえずAブロックを中心に最初のページから読み進めていきました。そうすると、Aブロックを読んでいるだけでも「こんな会社があるんだ」といった感じで面白かったのです。

 

四季報に掲載された企業を銘柄コード順に追っていくと【水産・農林】から始まり、次に【鉱業】や【建設】など「重い」イメージの業種がズラッと並んでいます。建設会社は今でこそ業績もいいのですが、当時は業績も悪くイメージも「重かった」感じでした。

 

四季報も掲載されている銘柄コードが2000番台になってくると、【食料品】などが登場し、日頃から目にする企業が数多く登場してくるので、多少はホッとした気持ちになります。3000番台に【小売業】【繊維製品】、4000番台が【化学】、4500番台に【医薬品】、5000番台に【石油・石炭製品】【鉄鋼】、6000番台に【機械】や【電気機器】などの関係企業が顔を出してきます。

 

7000番台に入ると、自動車などの【輸送用機器】【精密機器】などが登場します。私がもっとも読み進めるのがつらかったのは、地方銀行(地銀)などが記載されている8000番台【銀行】のページでした。その際、都道府県別にどういう地銀があるのかを整理しながら読み進めていきました。

 

読破作業に取り組んでみると、こうした苦労もあって〝過酷〟な作業でした。最終的に生まれて初めて完全読破した四季報は、1998年新春号(1997年12月発売)でした。今では慣れもあって2、3日で読破できますが、このときは読破するのに1週間以上も費やしました。

4冊目の四季報読破でついに見つけた「成長株」

四季報の読破では、初めはいろいろな企業を知ることから始めました。読み進めていくうちに、この情報誌の奥深さがわかってきました。それ以来、各号の読破を21年間にわたって継続しています。

 

今では、2日半で1冊を読破できるようになりました。これを継続できた秘訣は、読破すること自体を目的としてこなかったからです。代わりに、いかに読破した四季報を仕事や生活に活かすかを考えていました。

 

四季報の読破を仕事に活かしたケースでは、今でも忘れられないものがあります。それは1998年、四季報読破の4冊目(同年秋号)で見つけたシートゥーネットワーク(現在は上場していない)という企業を見つけたときでした。同社は当時、上場したばかりの成長株でした。加工食品のディスカウントストア「つるかめ」などを展開する企業で、たとえば、マヨネーズはトップブランドの「キユーピー」ではなく、値段は安いがマクドナルドで使われ、味は確かな「ケンコーマヨネーズ」を置くなど、ユニークな品揃えで差別化を図っていました。

 

同社株を見つけ出す少し前に、ドンキホーテホールディングス(7532)が上場していました。当時、デフレが進行していて、ディスカウントストア業態はまだめずらしく、こうした時代にマッチした銘柄が注目を浴びていたのです。

 

この銘柄を見つけ、顧客に同社の株式の購入を推奨していました。結果的に、同社の株価は、なんと1年ちょっとで20倍以上に大化けしたのです。ちなみに、同社は2003年、イギリスのスーパーマーケット最大手のテスコに買収され、テスコグループの一員(テスコジャパン)として事業展開を行い上場廃止。

 

その後、テスコが日本市場から完全撤退を表明し、イオングループの完全子会社(イオンエブリ)となりました。しかし、店舗を閉鎖してイオングループに譲渡、1年余りでイオンエブリとしての事業を終了しています(以上、フォレスト出版株式会社編集部注)。

銘柄コードの一定の番台に固まっている「大化け株」

四季報から見つけた銘柄を個人的に初めて買ったのが、ベビー・子供衣料小売りの西松屋チェーン(7545)でした。この企業の株価は、あっという間に2倍になっています。おそらく「ビギナーズラック」だったとは思いますが、それでも無意識のうちに、当時「デフレ」というテーマをとらえていました。

 

つまり、デフレに合致する銘柄で「上場したての成長株」をたまたま見つけていたのです。四季報読破を目的としないでページをめくっていなければ、こうした「大化け株」を見つけることができなかったのも事実です。

 

もちろん、シートゥーネットワークの件は顧客からは大いに感謝され、四季報読破が仕事の結果にも直結することを実感しました。西松屋チェーンは、証券不況のあおりを受けて山一證券が自主廃業(1997年)した「山一ショック」のあとで、大半の投資家がこのような「大化け株」が眠っていることに気づいていませんでした。

 

時代は、デフレという厳しい状況下で中小型の「大化け株」候補を探していた1998年後半から1999年にかけて、IPO(新規公開株を購入する権利)が上場したら軒並み10倍、20倍に値上がりするような「ITバブル」(2000年)が近づいていました。その先頭を走っていたのは、ソフトバンクグループや光通信(9435)で、ほかの中小型の「大化け株」候補も実際、10倍、20倍は当たり前のように高騰を続けていたのです。四季報はこうした銘柄を探し出すうえで、欠かせない情報を提供してくれます。

 

しかし一方で、1冊2000ページをすべて読破するというのは非現実的なことも確かです。掲載されている膨大な銘柄の中から、本当に成長株を見つけることができるのかと疑問に思う人もいるでしょう。ですから、ウラ読み術の第一歩としては、たとえば、現在の世の中の流れを考えて、次の3つの条件に見合った銘柄を見つける方法があります。

 

①AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、スマホ、人材など、時流のテーマに乗っている。

②最近、上場している(直近5年程度)。

③成長株である。

 

実は、これら3つの条件に見合った銘柄は、いわゆる大型株よりも中・小型株に多く見られます。おそらく多くの人が知らないような企業があり、そうした業種には【情報・通信業】【サービス業】【卸売業】【小売業】【不動産業】【その他製品】などがあります。

 

最近のIPOは今までの業種の順番とは別に、コードが空いているところに振り分けられるため【業種】とコードがリンクしていません。そこで3つの条件の銘柄は次のような番号に振られています。

 

【3つの条件に合った業種の証券番号】

●3400番台

●3900番台

●4380番~

●4420番~

●6000番台

●6165番~

●6530番~

●7148番~

●9260番~

 

ですから、あまり四季報に接していない方は、このあたりのページから見始めるとビギナーズラックに遭遇できるかもしれません。これなら、完全読破に要する労力の10分の1から15分の1ほどですむでしょう。とにかく、まずは四季報をめくって、そこにどんな企業があるのかを知ることが、ウラ読み術の第一歩と考えてください。

 

 

渡部 清二

複眼経済塾 代表取締役塾長

 

→ 勝ち組富裕層が「幻冬舎ゴールドオンライン・メルマガ」で情報収集しているワケ

 

 

幻冬舎ゴールドオンラインの主催・共催・協賛セミナーをいち早くお届けする、

LINE@アカウントを始めました!お友達登録はこちらからお願いします。

 

友だち追加

 

複眼経済塾 代表取締役塾長

1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。
野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。同時に『日経新聞』を読み込み、ポイントを話し合う「日経新聞・読み合わせ会議」を主宰(独自の読み方と記事の切り抜きを20年以上継続中)。
2013年野村證券退社。2014年四季リサーチ株式会社設立、代表取締役就任。
2016年複眼経済観測所設立、2018年複眼経済塾に社名変更。
2017年3月には、一般社団法人ヒューマノミクス実行委員会代表理事に就任。

「四季報読破」は20年以上継続中で、現在86冊を読破(2019年春号時点)。そのほか、テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。著書に『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)がある。

著者紹介

連載投資のプロが伝授!運用パフォーマンスを向上させる「会社四季報」読破のメソッド

本連載は、2019年2月9日刊行の書籍『「会社四季報」最強のウラ読み術』(フォレスト出版)から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「会社四季報」最強のウラ読み術

「会社四季報」最強のウラ読み術

渡部 清二

フォレスト出版

◆20年以上、会社四季報を読破し続ける達人が教えるウラ読み術 2000ページ以上ある会社四季報を隅から隅まで読むプロが編み出した読み方を解説。 会社四季報は全部で14のブロックに分けられていますが、 そのうちの5つの…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧