世に溢れるメディアなどの情報に騙されず、大切な資産を確実に築いていくにはどうすればよいのか? 本記事では、大手証券会社、マスコミ業界の経歴を持つ、株式会社グランディル代表取締役社長 竹田真基氏が正しい情報の見極め方と正しい投資の知識をレクチャーします。今回は、日本国内の「貯蓄型保険」の問題点等を見ていきます。

保険に加入する上で「損をしない商品選び」とは?

以上のように、日本で広く買われている貯蓄型保険には様々な問題があり、世界的に見れば決して〝お得な商品〟と言えるものではありません。

 

では、保険に加入する上で損をしない商品選びをするためには、どのような点に注意を払うべきなのでしょうか。

 

まずは「本当に必要な保険は何か」をごくシンプルに考えてみましょう。すると入るべき保険は、自ずと限られてくるはずです。

 

家を持っていれば火災保険と地震保険、自動車を運転するのであれば自動車保険、それから家族がいれば生命保険も必要になるでしょう。

 

生命保険は基本的には掛け捨てがベストです。「死亡か高度障害の時に○○千万円支払われます」といったごく一般的な保障が得られるものに、安いコストで加入すれば十分です。そこで浮かせたお金を、より高い利回りの商品で運用すれば、自分で「貯蓄型終身保険」を作れてしまえるのです。

 

一方、不動産を購入していてローンを組んでいれば、団体信用生命保険(団信)がついているので余計に保険に入る必要はない、という判断も可能です。

 

このように、本当に必要な保険だけに加入すればよいのです。「もしかしたら、これも必要かも、あれも必要かも」と考えて、余計な特約をむやみやたらに付けてしまったり、掛け捨てはもったいないと思って返戻金のある保険を選んでしまうと、保険料はいたずらに高くなります。

 

保険料は極力低く抑え、それによって浮いたお金を株や債券などで運用するほうがよほど有意義です。

「日本の社会保障」は世界トップクラスである

また、医療保険も基本的には重要ではありません。病気やケガで入院・手術等が必要になったとき、治療に必要な入院費や手術費などは現状の社会保障でも十分にまかなえるからです。

 

具体的に述べると、会社員には組合健保や協会けんぽ、公務員には共済組合といった公的医療保険があり、病気やケガをして治療を受けたときに保険対象であれば、窓口で支払うのは実際にかかった医療費の3割で済みます。

 

また「高額療養費制度」を使えば、1カ月の医療費が一定額以上になると自己負担に上限がかかり、負担額を大きく減らすことができます。

 

さらに「傷病手当」も用意されています。この制度は「病気やケガで働けない人」に一定のお金が支給される制度です。支給額は、それまで受け取っていた報酬のおよそ3分の2であり、支給期間は最長で1年6カ月間です。

 

万が一障害状態になった場合には、障害年金も受給できる可能性があります。加えて介護が必要になり、所定の条件が満たされた場合には、公的介護保険も利用できます。

 

さらには、子どもが病気やケガになった場合には、子ども医療費助成制度という医療費が無料・軽減される制度も使えます。

 

このように、実は日本は社会保障制度では世界トップクラスなのです。これらの公的制度をフルに利用すれば、医療費の負担はそれほど大きくなりません。わざわざ医療保険に入る必要はないと個人的には思います。

 

もちろん、今後この社会保障の仕組みが維持できない可能性はあるので、時期をみて加入を考えることは必要かもしれません。

〝保障を買う国内、運用を買う海外〟とは?

ここまで述べたことをまとめると、まず、死亡、高度障害など生命保険でしかカバーできない部分に関しては、最低限、日本の保険に掛け捨ての形で入っておけばよいでしょう。日本の保険は利回りや運用という意味では全く魅力がありません。

 

とはいえ、日本人が国内で暮らす以上は、日本の保険会社で万が一の場合に備えておいたほうがよいでしょう。

 

一方、運用については、リターンが大きな海外の保険で行うべきです。

 

つまり〝保障を買う国内、運用を買う海外〟といった具合に使い分けることが必要です。全てがまとまってパッケージされているからといって、何も考えず貯蓄型保険に入ると無駄なコストがかかりすぎます。

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竹田 真基

幻冬舎メディアコンサルティング

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