投資対象とは「それ自体が利益を生み出すもの」
世の中の投資対象には様々なものがあり、それぞれ異なった特質を持っていますが、大きく以下の3つに分類できます。
①株式
②債券
③不動産
この3つの分類はあくまでも原則論です。例えば、これらの商品を組み合わせた投資信託(ファンド)も当然、投資対象になります。
投資対象とは「それ自体が利益を生み出すもの」、つまり資産と成り得るものだけであるということを覚えておいてください。株式は成長と配当を生み、債券は金利を生み、不動産は家賃を生みます。
この〝真理〟さえ覚えておけば、最近流行った仮想通貨が資産でないことは分かりますし、誰かの思惑で、価格が上下するものを購入することは、投資や資産運用ではなく「投機」です。
投資先は「株式」「債券」「不動産」、この3つだけです。それ以外に投資するのはもちろん個人の自由ですが、それはあくまでもゼロになってもいい遊びのお金でやるようにしてください。
前述した3つの投資対象に投資していく上で、「分散投資」を心がけることが大切です。「分散投資」とは、資金を複数の商品に分けて投資することです(図表)。
資金を一つの商品に集中させた場合、その商品の価値が思うように上がらなければ、資産は増えません。下がれば為す術がありません。一方、複数の商品に投資していれば、上がったり下がったりでお互いを補完し合えるのでリスクを抑えられます。
このような分散投資の考えに基づいて、商品を分散して持ち続けていれば、資産運用に失敗するリスクは極めて低くなります。
これから世界経済は概ね年間3~6%程度で成長を続け、2040年頃までにその規模は現在の倍になると予想されています。極端に言うと世界中に均等に資産を配分しておけば、個別の上げ下げはもちろんありますが、全体としては年間3~6%程度の資産成長は無理なく期待できるのです。可能な限り資産の分散を図り、リスクを最小化していけば恐さはありません。
投資はすぐに使う予定のない「余裕資金」で行う
また、投資で求められるのは短期ではなく中長期の運用です。投資した商品の資産価格は、短期的なスパンでは下がることもあります。
ただし商品の選択を誤らなければ、短期的に値下がりしても、中長期で見ると結果的に購入したときの価格以上に上がることがほとんどです。投資で負ける人、成功できない人は目先の値下がりで狼狽する人、売り急ぐ人、我慢できない人です。
したがって、たとえ一時的に下がったとしても売らずに我慢して持ち続けることがポイントです。
そのためにも投資は、基本的にすぐには使う予定のない〝余裕資金〟で行うようにしましょう。生活費はきちんと確保し、それとは別に投資に回すお金を決めておくのです。
生活費の一部を投資に使うと、いざお金が必要となったときに、売らざるを得なくなります。投資した商品の価格が上がっているときならともかく、下がっているときに売ってしまうと損をします。
その結果、後で上がったときに「あのとき売らなければよかった…」と後悔することになりかねません。
余裕資金で投資していれば、一時的に値下がりしても「ここで焦る必要はない。いずれ元に戻るだろう」と価格が上がるまで、のんびりと待ち続けることができるはずです。
日本で度々やり玉に上がる投資信託ですが、10年、20年スパンで持ち続けている人はほとんどが儲かっています。損をしたと騒いでいる人たちは、短期でしかモノを見ていない人たちです。