世に溢れるメディアなどの情報に騙されず、大切な資産を確実に築いていくにはどうすればよいのか? 本記事では、大手証券会社、マスコミ業界の経歴を持つ、株式会社グランディル代表取締役社長 竹田真基氏が正しい情報の見極め方と正しい投資の知識をレクチャーします。今回は、日本国内の「貯蓄型保険」の問題点等を見ていきます。

保険はシンプルで分かりやすい内容のものに加入する

「割安な保険料」「一生涯の保障」「7大疾病にも対応」など、保険の宣伝広告には、商品の魅力を伝えようとする耳障りのいい文言が、これでもかと盛り込まれています。どの宣伝文句もシンプルで分かりやすく、また言葉だけを見ると、保険会社はサービス精神に満ち溢れ、消費者思いの良心的な企業のようにさえ見えます。

 

しかし、そんな表向きの分かりやすさとは裏腹に、実際の保険商品は、様々な特約や支払条件が入り組んだ極めて複雑な商品設計となっており、非常に分かりにくいものになっています。

 

各種特約の中には、商品パンフレットの説明をいくら読んでも理解できないような内容が少なくありません。そのため、「どのような条件が満たされれば保険金が下りるのか」を把握していない加入者も少なくないはずです。また、そもそも「自分が入った保険にどのような特約が付いているのか」さえ分かっていない人が大半です。

 

特約の内容が分からなければ、「これは○○の特約に該当するから、保険金が下りるのでは? よし、保険会社に電話して確認してみよう」とはなりません。保険会社はわざと分かりにくくしていて、保険の請求をされないようにしているのではないかと邪推したくもなります。

 

意図的なのか否かは分かりませんが、加入者をいたずらに惑わすような分かりにくさが、日本の保険商品に目に付くことは確かでしょう。保険に複雑さはいりません。とにかくシンプルで分かりやすい内容のものに見直してみてください。

保険の営業マンは金融のプロではない⁉

もう一つ、日本の保険もしくは保険業界の大きな問題点を指摘すると、営業マンのほとんどが金融のプロではないということです。

 

日本の保険会社は社員の7割以上が1社専属の営業部隊と言われます。起源はいわゆる「保険のおばちゃん」です。この〝セールスレディ〟とも言われる女性たちが現れたのは、終戦後の話です。戦死した人の妻たち、いわゆる戦争未亡人に職を与えるために、生命保険会社が積極的に採用したのが、そのきっかけと言われています。

 

一方、イギリスやアメリカでは金融商品のアドバイスをIFAと呼ばれるプロたちが行っています。

 

IFAとは「Independent Financial Advisor」の頭文字をつなげた略語で、日本では「独立系ファイナンシャルアドバイザー」などと呼ばれています。特定の業者には属さない中立的な立場から、資産運用の相談に乗ったり、金融商品を紹介するのがその役割です。

 

欧米では、こうした金融の専門家であるIFAが、適切な資産運用という観点から、保険選びをサポートしてくれます。

 

それに対して、金融や投資の知識を十分に持たないような営業マンたちが自社のみの保険を売っている日本では、欧米で見られるような資産コンサルのようなやりとりは全く見られず、GNPセールスが主流となっています。Gは「義理」、Nは「人情」、Pは「プレゼント」です。

 

大半の人たちは付き合いや情で保険契約を結んでいる、つまりは商品の中身をほとんど吟味せずに加入しているわけです。もちろん加入する側は割高で利回りの低い商品を買わされていることを知りません。

9割の日本人が知らない「資産形成」成功の法則

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竹田 真基

幻冬舎メディアコンサルティング

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