今回は、海外保険の強みを通して、保険を見直すポイントを説明します。※世に溢れるメディアなどの情報に騙されず、大切な資産を確実に築いていくにはどうすればよいのか?本連載では、大手証券会社、マスコミ業界の経歴を持つ、株式会社グランディル代表取締役社長 竹田真基氏が正しい情報の見極め方と正しい投資の知識をレクチャーします。

保険を担保にお金を借りる? 海外保険を運用するには

海外の保険には無金利で巨額の資金を提供してくれるものもある

 

海外の保険商品には、高利回り以外にも、日本では考えられないようなメリットが見られます。一例を挙げると、無金利での借り入れが可能となる商品もあります。

 

例えば、日本円で1億円相当の保険に入ると保険会社が5000万円を無利子で貸してくれるようなケースです。その結果、元の1億円に5000万円分上乗せして、1億5000万円から運用がスタートします。

 

図表はその商品の、解約返戻金の額の推移等を示したものです。

 

[図表]無金利で借り入れ可能な海外保険商品の解約返戻金の推移(単位:ドル)
[図表]無金利で借り入れ可能な海外保険商品の解約返戻金の推移(単位:ドル)

 

※表の通貨は米ドルですが、分かりやすく1ドルを100円として説明すると下記のようになります。

 

・現金1億円で保険加入→無金利で50%の上乗せ

→1.5億円スタート(※解約時に5000万円返済)

 

・例)15年後に解約した場合→2.7億円

→ここから5000万円を返済

手残り2.2億円−加入時1億円⇒利益1.2億円

 

50歳の方が加入したと仮定し、65歳になる15年後には約2億7000万円の返戻金が得られることが分かります。借りていた5000万円を返済しても、2億2000万円が手元に残ることになります。

 

もともと自腹で払う保険料は1億円ですから、なんと1億2000万円の利益を獲得することができるのです。15年後の返戻率は220%です。

 

このように巨額の資金を融資してくれるのは、保険会社にとっても、運用額が大きくなればより多くの運用益を期待できるというメリットがあるためです。

 

さらに欧米では、保険を担保に金融機関からお金を借りることもできます。この保険を担保にして借りた資金で、さらに不動産投資などを行うことが可能となるわけです。

 

保険を担保にして投資資金を借りるなど日本では考えられないことかもしれません。しかし欧米では、金融商品を担保にお金を借りることはごく当たり前に行われています。つまり、保険にも相応の担保価値が認められているのです。

 

先に海外では、保険が運用商品であるとみなされていると述べましたが、そこにはこのような意味合いも含まれているのです。ここで示した商品は、海外保険のごく一部にすぎませんが、世界にはこういったレベルの保険がゴロゴロ存在しているということだけは理解しておいてほしいと思います。

 

海外保険は日本人に門戸を開いている海外の業者から購入できる

 

以上のように、利回りや担保価値などの面において、海外の保険には日本の保険にはない大きなメリットがあります。保険選びの選択肢として、海外の保険商品を検討する価値は十分にあるのです。

 

では海外の保険に投資したい場合、どのような方法を取ればよいのでしょうか。まず英語ができる人であれば、海外の保険会社から直接購入することができます。日本の法律では、金融庁に認められていない保険商品を国内で販売することは禁止されています。

 

ただし、個人が海外の保険会社から直接買い入れることは違法ではありません。つまり英語さえできれば、現地と直接やりとりして購入することができるのです。

 

また英語力に自信がないのであれば、日本語対応を前提として、日本人向けに門戸を開いている保険会社を探して買い付けるという方法があります(ただし、日本語で対応してくれる業者は今のところ限られており、2019年時点では数社程度です)。

 

(※)これらはあくまで日本と海外保険の比較参照として記載している内容であり、決して勧誘を目的としたものではありません。

 

日本の保険で節税対策を行うよりも運用で資産を増やすほうが合理的

 

海外の保険を購入したとしても、国内の保険を購入した場合とは法律上異なるため、税制上のリスクや不利益を被るようなことはありません。その点に関しては、安心してください。

 

なお海外の保険は、所得税等の節税対策には使えません。したがって、保険を利用した節税を考えている人には不向きかもしれません。

 

もっとも、国内では保険を使った節税手法が濫用されてきましたが、国税庁が税務上の取り扱いを見直し、支払った保険料を損金算入できる範囲に制限をかける検討を始めるため、生命保険各社は2019年2月時点で、いわゆる節税保険の販売を取りやめることが決まりました。

 

また個人のレベルであれば、保険で節税できる金額は数万円程度にすぎません。だとすれば節税目的で日本の保険を使うよりも、運用して資産を増やすほうがはるかに合理的です。

 

さらに言えば『9割の日本人が知らない「資産形成」成功の法則』第4章でも触れていますが、節税対策としてはアメリカ不動産を活用したほうが、はるかに大きな効果を得ることが期待できます。

 

・日本の保険では万が一に備えた保障だけを買う。

 

限られた運用資金を効率的に運用するためにも、まずはこの二つの意識を持って保険を見直してみましょう。

 

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竹田 真基

幻冬舎メディアコンサルティング

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