世に溢れるメディアなどの情報に騙されず、大切な資産を確実に築いていくにはどうすればよいのか? 本記事では、大手証券会社、マスコミ業界の経歴を持つ、株式会社グランディル代表取締役社長 竹田真基氏が正しい情報の見極め方と正しい投資の知識をレクチャーします。今回は、投資対象、および分散投資の基本的な考え方等について見ていきます。

「海外の商品は危ない」は根拠がないものが多い⁉

投資に関して、日本では誤解もしくは先入観のある意見、偏見に満ちた印象が語られがちです。

 

具体的には「不動産投資は危ない」「日本の商品は安全、海外の商品は危ない」「大手証券会社が勧めるものであれば信頼できるだろう」などといった類いのものです。

 

こうした投資を巡る言説には、全く根拠のないものが多いので、それらにいちいち振り回されないことが大切です。

 

例えば「海外の商品は危ない」という意見を検証してみましょう。確かに、海外商品と一括りにしてしまうと、メキシコペソ、トルコリラ、ブラジルレアルのようなハイリスクの通貨建て商品のように、投機的なものもあります。

 

では、アメリカの投資商品はどうでしょうか。例えば、アメリカの債券で4%の利回りのものがあったとします。日本で発行されている債券でこれだけの利回りがあるものは少ないでしょうが(日本でも探せばあります)、アメリカではごく当たり前にあります。

 

このようなアメリカの投資商品のリスクは、日本の投資商品よりも高いと言えるでしょうか?

 

投資商品のリスクを判断するための基準として、一般に参照されているものに「リスクフリーレート」があります。リスクフリーレートとは、リスクが最小もしくは皆無である金融商品の利回りのことです。通常は、国債の利回りが基準とされます。

 

そこでアメリカの国債レートを確認すると、先に触れたように2.5~3%前後あります(2019年2月時点、10年もの)。債券の中で最も利回りが低い国債が3%なのですから、4%の利回りの商品があっても全く不思議ではありません。

 

また、感覚的に考えてみても、日本とアメリカの経済力や信用力を比べた場合、どちらが強いか、信頼できるかと言えば、やはりそれは世界経済の中心であるアメリカでしょう。

 

一方、金利24%のトルコリラや金利15%の定期預金があるモンゴルで投資を行うかと言われれば、少なくとも現時点で答えはノーでしょう。一括りに海外ではなく、あくまでも個別に判断していきましょう、ということです。

世界経済3~6%の成長に便乗するか、それとも…

そもそも資産運用を行うからには、海外の商品にも目を向けることは必須です。次回以降詳しく取り上げますが、保険にしても投資信託にしても、日本では考えられないような魅力的な商品が、海外では取り扱われています。

 

それらの商品を選択肢の一つとして検討することが、投資によって資産を最大化する上では不可欠です。

 

将来的に人口も経済も右肩下がりが続いていく日本に対して、世界の人口は今後も増え続け、世界経済は3~6%の成長が続いていきます。

 

分散投資の話でも触れたように、世界中の資産に均等に投資できたとすれば、3~6%の利回りが取れるということです。

 

沈みゆく日本だけで投資をするのか、それとも世界の成長に便乗するのか…。次回からは、そうした海外商品も含めた資産の運用方法について、より詳しく紹介していきます。具体的には保険、株式、債券、投資信託(ファンド)、不動産を取り上げ、それらの商品を購入する上で押さえておきたい基礎知識や注意点などについて、解説していきます。

 

また、投資で失敗しないためには、一般に信じられている〝常識〟を疑うことも求められます。そのために必要となる投資リテラシーについても、個別の商品ごとに伝えていきます。

9割の日本人が知らない「資産形成」成功の法則

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竹田 真基

幻冬舎メディアコンサルティング

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