株式市場は厳しく、債券市場の利回りも低かった2015年のスリランカ経済ですが、2016年はさらなる悪化が見込まれています。そんな中、経済活性化と財政再建の手段のひとつとして期待されているのが、国営企業の民営化です。

数多く推し進められる大型国営企業の民営化計画

政府は驚くほどの数の国営企業を抱えている。この中のいくつかの企業は、民間セクターへ完全に売却されるか、経営権を譲渡するかたちで一部売却されるか、あるいは、マイナー出資を求めて株式市場に上場される。

 

一部あるいは完全に民営化される可能性がある事業は以下の通りだ。

 

・コロンボ港の東ターミナル:株の49%および経営権の売却
・SriLankan Catering(航空機内食製造):IPOで1億5,000万ドルの資金を調達
・Sri Lanka Insurance Corporation(SLIC):国営の保険会社
・ハイアット・レジデンシズ:SLICが経営
・ランカ病院:SLICが経営
・Hotel Developers(ホテル開発事業):ヒルトン・コロンボが所有権を獲得
・Waters Edge (リゾート業)
・グランド・オリエンタル・ホテル:セイロン銀行が経営
・モビテル(通信業):Sri Lanka Telecom社が所有権を獲得
・国有商業銀行:人民銀行およびセイロン銀行

 

民営化の波により、2016年は上記企業が次々と株式を公開し、コロンボ証券取引所に上場する一年になるだろう。一方で、コロンボ港の東ターミナルはストラジック・インベスターに売却されるだろう。

 

予算案によると、2016年は、補助金を除き、3,780億スリランカ・ルピーの税外収入が見込まれている。これは、2015年分の税外収入分として見込まれた1,260億スリランカ・ルピーのおよそ3倍にあたる。この見通しは、政府が2016年に起きる民営化の波に乗って資金調達できると期待していると考えて間違いないだろう。

 

次回は、この民営化計画がもたらす影響などをご説明します。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年1月に掲載した記事「THE BEAR YEAR」を、翻訳・編集したものです。

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