株で儲ける人は自分の判断に「自信」を持っている
筆者の会社の会員をはじめ、株で大儲けしている人には共通点があると、筆者は常々実感しています。運用手法は人によってそれぞれ違っていても、次に挙げる三つのポイントが共通しているのです。
①予想が明確である
②自分の意見がある
③大衆の流れを見ている
一つずつ、詳しく説明していきましょう。
①予想が明確である
株で儲けている人とそうでない人の違い、それは「予想の明確さ」にあります。これは、予想がいつも当たるという意味ではありません。当然、予想は外れることがあります。
それでも、儲ける人は、自分が狙う株が、材料(株価を動かすニュースの有無)や企業業績などさまざまなものから、明確に上がることと予想し、さらにどの程度の株価になるのかまで見えています。予想通りに動けばそれでよし、もし予想に反する動きをした場合はぐずぐずしないで売却して損切りというメリハリのある運用をします。
では、どうやって予想するのか。株価の位置であったり、材料や人気の強さであったり、予想の根拠となる要素は銘柄ごとにさまざまです。各ポイントを選択することで何通りもの予想が可能ですが、儲けられる人は自身の頭の中で、トータルでよい株、狙える株を選出する力があるのです。
②自分の意見がある
儲けている人に共通する二つ目のポイントは、自分の意見をしっかり持ち、他人には頼らないということです。逆に、儲からない人は「自分に自信がない」。そして、常に何かに頼っています。
例えば、買った株が下がったら「きっと上がるだろう」と根拠のない希望に頼ったり、「○○氏が上がると言ったんだから上がるはず」だと他人に判断をゆだねて含み損の出ている株を持ち続けたりします。
儲ける人は、他人の意見がどうあれ自分の意見を持っています。株式セミナーなどでも、言われたことをそのまま信じて鵜呑みにするのでなく、意見としていろいろ聞いてノートにつけています。セミナー後の質問でも、今後の自分の株取引にプラスになるようなことを質問してきます。
株取引では、どの株を買うのか買った株をいつ売るのか、最終的な判断をするのは常に自分です。もし他人の意見に惑わされて、最終判断に迷いがあるなら買わないことです。買うもしくは売る、という判断に迷いがあってはダメ。自分の判断に自信がなくて、いつも他力本願なのに儲けている、という人は見たことがありません。
運用しながら自分で「学習」していくことが大事
③大衆の流れを見ている
儲けている人は、株そのものだけでなく株取引をする大勢の人たちの動きも注意深く観察しています。
他の個人投資家、生命保険や年金基金などの機関投資家、証券会社、投信運用会社、外国人投資家などがどこで買いに出るのか、あるいはどの段階まで来ると皆が手仕舞いするのかを見ています。そして、こうした人の動きや人の流れを冷静にとらえて、後れを取ることなく動いているのです。
株は、最も下がったときに買って最高値を付けたときに売れば一番儲かりますが、現実的にはいつが最も安くていつが天井(最高値)なのかを完璧に予想して取引することはまず無理です。
株の世界では「頭と尻尾はくれてやれ」という格言がよく使われます。どのくらい難しいかというと、「大きな相場を天井で売ることができるのは人生で2度だけ」と言われているほどです。
したがって、欲張り過ぎるのは間違い。株価がピークを付ける前に利益を確定すればそれで十分。売った後に多少上がるような展開が理想的です。逆に、売り損ないは最もよくありません。
大衆は、多くの人が動き出してから買いや売りの行動に出ます。儲けている人は、「この株はどの位置で買いが増えるのか」「この位置より上がったら危険だから買わない」ということを大衆の動きから判断し、いち早く行動できているのです。
もちろん、株を始めた当初から三つの特徴を持っている――つまり、予想が明確で、自分の意見がしっかりあって、大衆の流れを見ることができる人はいないでしょう。今、大きく儲けられている人は、運用を重ねる中で自分で学習したり気付いたりして、いつの間にか「このパターンなら儲けられる」という銘柄や運用を自動選択できるようになっているのです。