投資効率から考えれば「損切り」が有効なケースも多い
中長期の場合は、短期トレードほど損切りを気にしなくてもいい、と思っている人がいます。「もともと長期で持つつもりなのだから、一時的に多少下がっても戻るのを待っていればいい」という理屈です。しかし、それは単なる言い訳で、実は損切りをしたくないだけという場合が多いようです。
確かに、長期保有なら、たいがいのものはいずれ上がるでしょう。けれども、下がったときの戻りが遅いような株を高値で買ってしまい、再び上がるまでずっと持ち続けているというのは、投資効率から考えると非常にもったいないことをしています。
ほかにいくらでも上がりそうな銘柄があって、実際に上がっているという相場であれば、単純に乗り換えて日経225の採用銘柄でも仕込んでおけば、損切りで確定した損失を考慮しても、いつになるか分からない戻りを待っているよりはよほど儲かるはずです。
高値買いして戻りを延々と待っている投資家は、投資に対する考え方を抜本的に改める必要があります。
まず、中長期でも損切りを徹底すること。全体相場が下落した際の、本当に一時的な下げ以外は、戻りを待たずに損失を確定するように心がけてください。特に、新興市場の銘柄を買ってしまい含み損を抱えている場合は、ひと相場終わって高値から半値くらいまで下げてしまうと、戻りに1年以上かかるケースもあるので、持ち続けるのは厳禁です。
「買値を上回る確率が高い」株だけを狙う
そして、次からは買う際にもっと慎重に銘柄を選ぶこと。上げが持続するような株だけを買えば、安心して持ち続けることができます。
そうした銘柄を選ぶ際のポイントは次の三つです。
①株価が低い銘柄(低位株、中低位株)を狙う・・・目安は株価1000円以下
②円安メリットのある国際優良株を狙う・・・中期的には円安が進むため
③業績拡大が期待できる材料を持つ株を狙う
これらの条件を満たす銘柄なら、業績も株価も中長期的に右肩上がりのトレンドが続くことが期待できます。
例えば、東レのように炭素繊維という将来に期待が持てる材料があり、海外での売り上げも伸びているような銘柄です。東レの株価は、5年前には500円程度でしたが、その後、600円、800円、900円と上がり続けていて、将来的には1500円を超えてくるでしょう。
こうした銘柄であれば、全体相場の影響などで一時的に多少下がったとしても、問題はありません。
つまり、将来日経平均が3万5000円になり、為替が1ドル150円になるようなときに、どんな銘柄が買われるのかを予想しながら、買値を上回って上がる確率が高い株だけに狙いを定めて買うという投資が正解です。逆に、それには当てはまらない銘柄で、今含み損を抱えているのであれば、早めに損切りすることを強く勧めます。
自分自身でも、長期保有で株価がどんどん上がる銘柄を見極め、50〜100本程度、ピックアップしてみてください。