日経変動型のETFならば、個別銘柄よりも予測が簡単
これまで私が株式投資をしてきた経験上、株価の予測は業績よりもデータを重視した方が上手く行くことに気付きました。
企業の利益が上がったからと言って株価が必ず上昇するわけでもなく、市場予想よりも決算発表の利益が少なければ逆に下がることもあるので、個別銘柄の株を売買するタイミングは難しいのです。
「○○電機、純利益前年比マイナス5%」と記事に書かれていたら、普通は株価が下がると思いますが、これも市場予想よりマイナス幅が小さかったために株価が上昇するといったケースも多々あるのです。
そんな予想のできない個別企業の株を買うのなら、日経平均だけのことを考えて売買するETF投資の方がどれだけ簡単に儲けることができるのか、知っていただきたいのです。
そこで、今回は私がこれまでに記録してきたETF投資で勝つためのデータの作り方を紹介しますので、あなたが作ったデータでETF1357(※1)とETF1570(※2)を売買して儲けることができるように役立てていただきたいと思います。
日経平均連動型のETFは個別企業の株とは違い、上がりっぱなし、下がりっぱなしはまずありません。
たとえ日経平均が上昇トレンドに乗ったとしても、騰落レシオが過熱状態なら必ず調整する時があります。
その調整でコツコツ稼ぐこともできるのがこのETF投資の長所なので、欲張りさえしなければ必ずと言えるぐらい高い確率で儲けられるのです。
※1 日経平均株価などの指標と逆の値動きをするインバース型のETF。保有している株式の下落リスクを回避する手段の一つ。
※2 日経平均が値上がりした場合、その上昇率の約2倍の利益が見込めるレバレッジ・インデックス連動型ETF。
毎日データをつけることで、予測はさらに容易に
あなたは、日経平均が300円以上、上昇または下落した時に備えて、私が作ったデータ表に翌日の日経平均予想株価を入力し、ETF1357とETF1570の前日比を計算します。
その計算した株価を指値で注文しておけば、暴騰や暴落が起きても慌てずに対処できるのです。
平日の日中、私の場合コンビニの仕事をしながらでも株価を気にすることなくETF投資に参加し、効率よく収入を得られるというわけです。
では、一体どのようなデータ表を作ればいいのか?
まず、パソコンのエクセルを開き、A列1行目に営業日、B列1行目に騰落レシオと入力します。そしてC列1行目には日経平均、D列1行目には前日比と入力します。
さらにE列F列の1行目にはETF1357、前日比、同様にH列I列の1行目にはETF1570、前日比とそれぞれ入力してください。
ここまではエクセルを使ったことのある人なら簡単な作業ではないでしょうか。初めての人でもすぐにできるので諦めずに挑戦してください。
そして、G列とJ列の1行目には、F/D、I/Dと入力します。
これは何を意味するのかと言えば、ETF1357とETF1570の前日比を日経平均の前日比で割った数値です。
言い換えれば、日経平均の前日比にG列、J列の数値を掛けた金額がETF1357とETF1570の前日比になるということです。
もっとわかりやすく説明するために図表1をご覧ください。
7月12日の日経平均は2万2187円(Cの2)でした。翌日、13日の終値は2万2597円(Cの3)、前日比プラス410円(Dの3)です。
7月13日の前日比プラス410円(Dの3)にマイナス0.11(日経平均が300円以上、上下した時の平均値、G列)を掛けた金額がETF1357の前日比、マイナス46円前後(Fの3)となります。
ETF1357の前日終値1244円(Eの2)にマイナス46円(Fの3)を足した金額1198円(Eの3)が、日経平均が前日の終値から410円上昇した時に予測できるETF1357のおよその株価になるのです。
例えば、7月13日の日経平均(Cの3)を2万2487円と予測した場合、Dの3には300円が入ります。
その300円にマイナス0.11を掛ければFの3はマイナス33円です。ETF1357の前日の終値、1244円(Eの2)にマイナス33円(Fの3)を足した1211円付近で指値注文をしておけば約定できたのです。
その日の日経平均はさらに上昇しましたが、1か月後には700円以上、下落しているので利益を得ることができたのです。
表は作らずに電卓だけで済ませたい人は、日経平均の前日比にマイナス0.11を掛けた金額がETF1357の前日比、日経平均の前日比に1.8を掛けた金額がETF1570の前日比として理解していただければ結構です。
しかし、このマイナス0.11や1.8も日によって変わってくるので、面倒くさくてもデータ表は作っておいた方がいいでしょう。
このように毎日データを記録しながら、翌日の予想をすることで断然、何もしていない人よりは儲けやすくなり、この先もずっと活躍してくれるので、これからETF投資を始める人はこの表を参考にしていただき、自分が使いやすいようにアレンジすればもっといいデータ表が作れるでしょう。
※ 本連載は、前畑うしろ氏の著書『ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資』(ぱる出版)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、出版社および幻冬舎グループはその責を負いません。