今回は、ETF投資において、利益を確保するための売買のタイミング等について見ていきます。※本連載では、元信用組合職員でコンビニ店員兼投資家・前畑うしろ氏の著書、『ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資』(ぱる出版)から一部を抜粋し、「コツコツ」型のETF投資で勝つための心得について解説します。

早起きして、時差のある「NYダウ」の情報をチェック

私が株式投資をする上で最も重要なことのひとつとして位置付けているのが早起きをすることです。

 

ただ、早起きをすればいいのではなく、株式投資の準備をするために早起きをするのです。そのために平日は必ず朝4時には起きてNYダウや日経平均先物の株価をチェックしたあと、スマホで日経新聞を読んでからコンビニのアルバイトに行っています。

 

アメリカのニューヨーク市場は私たちが夜寝るころに開かれ、朝起きる時刻には市場は終了し株価が確定しています。あなたがいびきをかいている間に、海の向こうでは大きな事件が起き、株価は激しい動きがあったかもしれないので、朝、早起きをして日本の株式市場がスタートするまでにいろんな対策を練る必要があります。

 

NYダウが上がっていれば、それほど慌てる必要はありませんが、暴落した場合に備えて、株を買う準備、売る準備をすることが大切となるのです。例えば、暴落した場合、日経平均に連動するETF1570(※1)もぐんと下げるので、あなたは買う準備をしておいた方がいいでしょう。

 

一方、ETF1357(※2)は下落した日経平均とは逆行して上昇するので、それまでにあなたがこの先、日経平均が下がると予想していてコツコツと買っていたのなら、その時の暴落でETF1357を売れば儲けることができます。さらに、もっと日経平均は下がると思えばしばらく売らずに保有していてもいいかもしれません。

 

ただし、あなたが最初に設定していた日経平均の株価や目標利益額に到達すれば欲張らずに全額売ってください。そうしないと、今後同じような状況が起こったときに冷静な対応ができなくなり、売るタイミングを失いかねないからです。

 

極論ですが、1年を通してたとえ1000円でも儲けていたのなら、あなたの投資方法は間違っていなかったことになるので、この先10年、20年と儲けることができるでしょう。しかし、自分が決めたルールを無視して売るタイミングを逃し、その結果、100円でも負けていたのなら、あなたはこれからも同じ失敗をする可能性があります。

 

※1 日経平均が値上がりした場合、その上昇率の約2倍の利益が見込めるレバレッジ・インデックス連動型ETF。

※2 日経平均株価などの指標と逆の値動きをするインバース型のETF。保有している株式の下落リスクを回避する手段の一つ。

僅かでも連続で儲けて「勝ち癖」をつける

わたしがお勧めしているETF投資は中リスク、中リターンなので損は絶対にできないのです。そのために日頃から、データを収集してコツコツと買い、上昇したときに数回に分けて売って儲ける方法が有効です。

 

年数回しかないチャンスをつかむためには買うタイミング、売るタイミングがキーポイントとなるので、いくつかの指標を見ながら、ETF1357かETF1570どちらかを買う準備をしておかなければいけません。

 

もちろんコツコツ買いが基本ですが、買い集めている段階で株価が上昇して含み益が出るときもあります。予想どおり、そのまま上昇し続けるかもしれませんが、本連載を通じてはじめてETFを買った人には少額でもいいので利益が出ればさっさと売って、連続で儲ける習慣をつけていただきたいのです。

 

3千円、4千円のわずかな儲けで売るときは、後ろ髪を引かれますが、それを何回も繰り返していると数日で2万円、3万円稼げるので、連続にこだわって勝ち癖がつくといいテンポで売買ができるようになり、意外と簡単に儲けられたりもするのです。

 

ETF投資をはじめていきなり損をすれば印象は悪く、魅力もわからないまま投資の世界から退場するかもしれないので、はじめて数カ月は小銭を稼ぐ方法でもいいのではないでしょうか。

 

一方、あまりにも連続にこだわりすぎて売るサインが出ているのに、利益が出ていないからといって持ち続けて損をすれば本末転倒なので、確実に儲けることを第一優先に行って下さい。

投資の世界では騙す輩がたくさんいる

いつも不思議に思っていることなのですが、儲け話をする人は他人に言わなければ自分が独り占めで儲けられるのに、なぜ、わざわざいうのでしょうか。株をするようになって特に感じるようになったのですが、おすすめ銘柄が世間に知れ渡った時点で買っても遅いということがよくあります。

 

もし私が有名な株のトレーダーだとしたら、ある銘柄を半年や1年前からコツコツと買い、ツイッターやブログなどのSNSでおすすめ銘柄として投稿すれば確実に儲けられるはずです。

 

株価が上がるような材料を事前に知り、買って儲けるインサイダー取引は法律で罰せられますが、自分が上昇させたい銘柄を買っておき「この先気になる銘柄」みたいに呟けば、買いを煽っているわけでもないので簡単に儲けられるような気がするのです。

 

もちろんそのようなことばかりしているトレーダーならすぐにばれて誰からも相手にされませんが、ある程度の信頼と実績があればかんたんに儲けられると私は勝手に想像してしまうのです。

 

儲け話に騙されたという話は、いつの時代も絶えることなく聞きます。

 

騙した者が悪いのか、騙された人が悪いのかはここで議論するつもりはありませんが、少なくとも、投資の世界では騙す輩がたくさんいることだけは確かです。どのように感じるのかは人それぞれですが、くれぐれもおいしい話には飛びつかないようにしましょう。

迷ったときには「50、50買い」も試す価値あり

この先、日経平均が上がるか下がるか全くわからないけど、証券口座にある投資資金100万円を少しでも増やしたいと願っている人には50、50買いがいいのではないでしょうか。

 

あなたが予想した日経平均の基準ラインが2万3000円だとしましょう。そして現在の株価が1カ月前2万2000円付近から少しずつ上昇して、2万3000円を突破、2万4000円まで迫る勢いで株価が上がってきました。

 

騰落レシオも120%を超えています。あなたは日経平均の基準ラインを2万3000円に設定していたので、今の株価は高値圏、いずれ下落モードに切り替わるか暴落がやってくると判断し、日経平均が下がれば上昇するETF1357を買うのがセオリーです。

 

しかし、もっと上昇するのではないかと不安を抱えていたり、自信が持てない場合は、この先の、さらなる上昇を警戒してETF1357とETF1570を約50万円分ずつ終値で注文するのです。

 

ほぼ同額分のETFを買っているので、今後、上昇しようが下落しようが損益はプラスマイナスゼロの状態で株価が推移するだけです。

 

あなたの不安が的中し、日経平均が一段と上昇すればETF1570を売却して利益を得ることができ、その後、日経平均が暴落または下落した時にETF1357を売ればETF両方で儲けられます。

 

しかし、あなたの不安は外れ、当初、予想していたとおりに日経平均が下落し始めたら、ETF1357は上昇するので儲かりますがETF1570は高値で買っているのでその分マイナスとなります。

 

ETFを買うか買わないか迷ったときの判断は難しいですが、一末の不安を感じた時は冷静になり、一端、保留してから買うか、基本に則ってコツコツ買いに徹するか、それはあなたが決断するしかないのです。

 

私はめったに使わない手法ですが、人によっては相性がいい投資方法かもしれないので、迷ったときに試す価値はあると思います。

本連載は、前畑うしろ氏の著書『ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資』(ぱる出版)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、出版社および幻冬舎グループはその責を負いません。

ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資

ポケットマネーではじめる月1500円のETF投資

前畑 うしろ

ぱる出版

元”まちの銀行マン”信用組合職員、現コンビニのアルバイト主夫による「ETF」で生計を立てる指南書。 スタートは1500円でも1500万円でもいくらでもOK。 不安に苛まれながら銘柄を選ぶ苦労はなく、買うのはたったの2銘柄。何…

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