豪華さ・華やかさを演出し、不動産価値を向上
ホームステージングサービスという言葉を聞いたことはありますか?
一般的にはまだそれほどメジャーな言葉ではありませんが、不動産業界のなかではメジャーな言葉になりつつあります。特にマンションを高く売却したいと思っている人は、ホームステージングサービスを知っておいた方がいいでしょう。
1.ホームステージングサービスとは
ホームステージングサービスとは、売却する不動産の部屋を演出して不動産価値を上げるというサービスです。具体的には、売却物件の部屋に家具を搬入したり、小物を設置したりします。そのような演出によって購入見学者の印象をよくすることが狙いです。
1-1.ホームステージングサービスの内容
部屋の演出とは具体的には以下のようなことを指します。
①リビング・ダイニングのテイストを白基調として、部屋を明るく広く見せる
②部屋全体に家具を配置して豪華さを演出する
③バスルームに観葉植物や小物を置き華やかさを演出
④バルコニーに簡易的なテーブルセットと植物を置き華やかさを演出
上記のように、とにかく部屋全体の印象をよくするための演出を行います。新築マンションのモデルルームを見学したことがある人は、そのモデルルームの演出をイメージするとわかりやすいです。
新築マンションのモデルルームはコンセプトや色合い、小物の種類まで実によく考えられて配置しています。さすがに新築のモデルルームには劣りますが、ホームステージングサービスをすることで、新築物件のような印象を抱いてもらうことも狙いの1つです。
1-2.ホームステージングサービスのメリット
ホームステージングサービスのメリットは以下の通りです。
①競合物件と比較をしたときの差別化
②広告物の室内写真の印象をよくする
上記①②によって成約率と集客力のアップがホームステージングサービスのメリットです。
まず、競合物件の差別化についてですが、中古物件を検討している人は、ほかの中古物件や周辺の新築物件を必ずチェックしています。これらの物件と競合したときに、ホームステージングサービスをしている物件は見学者の印象がよくなります。そのため、中古物件特有の「劣化具合が気になる」「古びた印象が気になる」という断り文句を極力少なくし、成約率を上げることができるのです。
また、ホームステージングサービスは、成約率アップだけに目がいきがちですが、実は集客力アップの効果も大きいのです。住宅を売却するときは、チラシやネット掲載などで室内写真をアップすることが多いです。購入検討者が物件を見学するかは、その写真も重要な要素になっています。ホームステージングサービスを実施すれば室内写真を撮るときにも、部屋が見栄えするというメリットがあるのです。それが、集客力アップにつながります。
1-3.ホームステージングサービスのデメリット
一方、ホームステージングサービスのデメリットは、唯一「費用がかかること」です。不動産の売却をしてくれる仲介会社がホームステージングサービスを実施してくれます。不動産会社によっては、その不動産の査定額やエリアなど、もろもろの条件をクリアすれば無料で実施することもあるので、よく確認してみましょう。
ただ、無料で実施しないとなると、ホームステージングサービスの費用相場は10万円~30万円程度です。ホームステージングサービスの内容を、どこまでの範囲で、どの程度の質にするかが費用を左右します。
中古物件は「ホームステージングサービス」の効果大
2.ホームステージングサービスを実施した方がよい人
ホームステージングサービスを実施するべき人は以下のような人です。
①競合物件が多い
②成約しない理由が明確
まず、競合物件が多い状況で物件を売却する人にはお勧めです。特に中古物件が周辺に多い場合には、ホームステージングサービスをしている中古物件は、格段に印象がよくなります。
また、成約しない理由が「部屋の印象が悪い」「新築物件と比較されている」のように、明確な場合にもホームステージングサービスは効果的です。なぜなら、「どんなものを」「どの範囲で」設置すればいいかを判断しやすいからです。たとえば、「新築物件と比較されているので部屋の印象が悪い」という理由で、成約できないとします。そうなると、新築物件を意識したコーディネートをするのが効果的です。
3.まとめ
ホームステージングサービスは、今から物件を売却しようとしている人はもちろん、現在売却中だったとしても効果は見込めます。特に、引っ越しをしてしまい部屋が空家状態の場合には、家具の搬入などもしやすいのでお勧めです。競合環境を踏まえた上で検討してみましょう。