「自信あふれるグローバルリーダー」を育てる
シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。本記事では、シンガポールで人気のインター校を2つご紹介します。
◆シンガポールアメリカンスクール(SAS)
シンガポールアメリカンスクール(SAS)は、アメリカのカリキュラムをプレスクール(3歳)からグレード12(18歳)まで提供する、1956年創立の全日制私立校です。本記事では、3歳と4歳の学生向けのアーリーラーニングセンターをご紹介します。
シンガポールアメリカンスクールのアーリーラーニングセンターは、レッジョ・エミリアアプローチです。レッジョ・エミリアでは、両親は「最初の教師」、学校の先生は「2番目の教師」、そして環境は「3番目の教師」だと考えられています。そのため、施設に置かれているおもちゃのほとんどが、木でできたこだわりの物ばかりです。外遊びの機会も多く、プレイグラウンドで砂や三輪車で遊んだり、高校の運動場に出かけたりします。3歳と4歳の学生は、毎日午前8時から午後1時30分までプログラムが組まれています。
ダイバーシティな環境で、すべての子供の特徴にあわせた特別なケアが行われています。学校と保護者のコミュニティが密接なのも、早期学習プログラムの特徴です。希望さえすれば、保護者が学校に行く機会を増やすことも可能です。
ジュースを作る、新聞紙を使って火山を作るといった小さな化学実験を通して、さまざまな発見の機会を与えています。さらに、専属講師による中国語の指導が毎日30分あります。みんなで歌を歌ったり、プリントを使ったりして、早期から無理なく中国語に慣れていくことができるようになっています。
また、アートにも力を入れていて、ダイナミックに床や壁に絵を描くなど、表現力豊かな芸術体験が可能です。毎日のように創作活動を行うため、1年間で膨大な量の作品ができあがります。読み聞かせの授業も多く、ストーリーテリングの能力向上にも期待できます。
アーリーラーニングセンターでは、有能で好奇心ある学習者としての子供を育成していきます。SASで学んだ子供達は、自分の意見をしっかりと相手に伝え、自信あふれるグローバルリーダーに育っていくことが期待できるでしょう。
参考:Singapore American School(https://www.sas.edu.sg/)
世界共通の教育プログラム「国際バカロレア」を採用
◆ワンワールドインターナショナルスクール
ワンワールドでは、多様性(ダイバーシティー)を重んじています。米コロンビア大学教育大学院の研究報告では、多様な生徒が同じ環境で学ぶことで、批判的思考力や問題解決能力を伸ばすことにつながると記されています。
多様性を推進するため、同じ国籍の学生が30%を超えないようにしており、40以上の国からの学生がキャンパスで学んでいます。異文化間の人間関係を構築することに焦点をあてた活気あるコミュニティを創造し、社会生活を送るうえで大切なことを理解できるようになります。
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のプログラムを提供しています。IBは、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルート確保を目的とした、総合的な教育プログラムとして1968年に設置されました。国際バカロレア認定校では、世界共通のプログラムを使用しているため、海外への転校が決まっても、スムーズにプログラムを再開できるでしょう。
またワンワールドでは、生徒の年齢に応じた教育プログラムを提供しています。3歳から12歳までは、IBのPYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)に沿って、精神と身体の両方を発達させることを重視しています。12歳以降は、英国教育省認可のカリキュラムを軸に、インターナショナルスクールの環境に最適化したプログラムを組んでいます。
32,000平方メートルを超えるキャンパスには、学生の好奇心をくすぐるような屋外教室が設置されています。農場や庭園で、植物や食品に直接触れる機会を持つことで、学生は豊かな感性を育んでいくでしょう。
参考:One World International School(https://www.owis.org/)
いかがでしょうか。各学校では、オープンキャンパスやキャンパスツアーなどに対応してくれるので、興味がある方はシンガポール旅行の際に学校見学をさせてもらうのもよいでしょう。
花輪 陽子
ファイナンシャル・プランナー