今回は、ホームページを利用した集客方法とホームページ作成における留意点について見ていきます。

飼い主の多くはインターネットで情報を収集している

前回に引き続き、動物病院を繁盛させるために押さえる「集客」について見ていきます。

 

【8】ホームページをつくる
集客を図るうえで、ホームページを作成することも強くおすすめします。現在、ペットを飼っている人の多くが、インターネットを動物病院に関する情報を探す手段として積極的に活用しています。

 

たとえば、T&D保険グループのペット&ファミリー少額短期保険株式会社が、ペットを飼っている20代から70代の男女を対象に行った「ペットオーナーのインターネット利用度調査」(有効回答数1265)において、「インターネットに求めるペット関連の情報や目的」について尋ねたところ、61.6%が「病気やケガに関する情報」を、23.7%が「動物病院の情報」を回答として挙げています。

 

ホームページがあれば、このようにインターネットで情報を求めている飼い主たちの目に触れることが期待できます。特に本連載の第5回で説明したように、専門分野を絞る方針をもっていたり、エキゾチックアニマルの診療に特化した病院をつくることを考えているのであれば、ホームページは非常に大きな集客力を発揮することになるはずです。

 

筆者のクライアントの一人であり、エキゾチックペットの専門的な病院として知られる田園調布動物病院の田向健一院長も、下記のように述べています。

 

「2003年の開業時に、宣伝手段として最も力を入れたのはホームページです。当時、まだインターネットは今ほど一般化していませんでしたが、エキゾチックペットの飼い主さんは、珍しい動物の情報を得ようとインターネットを利用する人の割合が高かったからです。実際、開業当初に足を運んでくれた飼い主さんのほとんどは、『ホームページをみてこの病院に興味をもった』という人ばかりでした」

基本情報だけでなく興味を引く「仕掛け」が重要

ホームページを作成する際のポイントとしては、まず、動物病院に関する下記のような基本的な情報を忘れずに掲載しておくことが大切となります。


●病院名
●診療時間
●住所
●電話番号
●診療内容

 

また、ただ型通りに情報を載せるだけでなく、院長の人柄が伝わってくるような個性的なデザインにしたり、ホームページにアクセスした人の興味を引くユニークなコンテンツを盛り込むなどの工夫も必要です。

 

たとえば、ブログを設けて、日々、動物たちを治療する中で感じたり思ったりしていることや、あるいは治療に関する最新の専門的なトピックを記事にまとめて紹介してみてもよいでしょう。ブログを読み、親近感をもったことがきっかけとなって、「この病院に通ってみよう」と思う人もいるかもしれません。

 

ちなみに、前述した「ペットオーナーのインターネット利用度調査」では、ペットの飼い主が選ぶ好きなWebサイトのイメージカラーとして、「白」「青」「緑」の3色が上位に挙げられています。

 

また、アクセスするホームページに満足感を抱く理由としては、「情報が豊富」「楽しい、面白い」「見やすい、分かりやすい」ことが挙げられています。これらの意見を一つの参考にすれば、ペットの飼い主の目を強く引きつけるホームページをつくることが可能となるでしょう。

本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

百瀬 弘之

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。 ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さら…

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