今回は、「理性」を判断軸に資産を増やす投資方法をその心構えとともに解説します。※ 本連載は、株式会社リーブル代表取締役で個人投資家・坂本彰氏の著書『給料は当然もらって、株で10万を1年で月収20万に!』(ぱる出版)から一部を抜粋し、「内需株」の底値買いで値上がり益を得る具体的な投資法を見ていきます。

悲観ムードでは積極的な買い、楽観ムードは利確⁉

人は通常時であれば、恐怖や楽観といった感情よりも理性が優先されます。そのため、株価も大きなギャップが生じませんし、間違った価格形成も起きにくい状況です。

 

[図表]投資家の感情と理性及び投資判断基準
 

しかし、感情が理性よりも優先された時は、企業価値を全く反映しない株価まで急落する、あるいは急騰していくのです。この局面では、ほとんどの投資家は地震や原発という悪材料から逃げたい一心で、長期的な価値に見向きもしていませんでした。

 

多くの人が恐怖の感情に支配され、理性を超えた動きをした時こそ、最高の買い場になるのです。

 

図のように「感情>理性」という局面が来る時まで、じっくり待つようにしてください。そして、悲観ムードの時は積極的な買い、楽観ムードの時は利確をしていきましょう。

 

最近の事例で言えば、2017年後半ですね。日経平均株価が8月以前の19000円台から3か月で23000円まで上昇。それと同時に「日経平均株価は3万円を目指す」といった明るい相場予測が世間を騒がせました。振り返ってみると、かなり楽観的だったと言えます。

 

「仮説はどうやら当たっている」ということを感じた私は、その後も急落時に大きく売られた株の中から、好業績の会社、あるいは成長している企業に狙いを絞って株を買い続けました。

 

2011年は日経平均株価が17%以上も下げた年度でしたが、同時に割安な株もゴロゴロあったため、3月以降も恐る恐る少額購入していきます。2012年以降もコツコツと新規で株式を購入したり、すでに保有している株の買い増しなどをしていきます。

 

アベノミクスが始まった2013年以降は、相場全体の株価上昇とともに2012年以前に買って保有を継続してきた株の株価が大きく上昇していきます。また、アベノミクス期間中も一時的な急落が発生した2015年8月のチャイナショックでも、高配当株中心に大量購入しました。

 

割安な有望株の購入継続、および一時的な株価急落時には大量買いをするという戦略を東日本大震災以降続けた結果、2017年には株式資産で1億円を超えるまでになりました。

 

株式投資で成功するための黄金法則、方程式はありませんが、これだなと唯一感じる式が継続+情熱です。情熱は好きとか好奇心と似ていますが、興味があれば、どんな時でも株と関わっていくことができます。継続は株に関わらず、どの分野でも上達するための共通項です。

 

さらに、成功から大成功へとステップアップするためには、継続と情熱に加えて、チャレンジを取り入れるようにしてください。

 

チャレンジはリスクと似ていますが、リスクを取り過ぎると破産にも繋がる危険性があります。そのため、チャレンジと呼びました。投資リターンを上げるため、今までにない投資先や投資法を取り入れていくことを意味します。

 

チャレンジこそ、投資家のステージを上げるための原点だと思います。

「企業価値」を投資判断の柱にするという鉄則

話を投資ヒストリーに戻します。株を初めて10年間、保有資産は一向に増えず一進一退という状況でしたが、2011年を境に順調拡大へと一変します。その転換点、ターニングポイントとなったのが、株価ではなく、企業価値を投資判断の柱にするという鉄則です。

 

企業価値とは、上場企業が今まで生み出してきた利益と、将来生み出す利益を合計したものです。それまでの私は、理性と感情という2つの判断軸が状況によりコロコロ変わっていました。

 

株価が好調時であれば理性で判断をするのですが、急落時には感情が優先され、大きく株価が下がったタイミングで投げ売りをしていたのです。

 

小さく勝ち、大きく負ける。という繰り返しでしたが、そうなった根底には、お金を失うという恐怖があったのです。お金を失うという感覚は、人であれば共通の恐怖です。完全に克服することはできませんが、「企業価値」と「急落した株価」、この2つを天秤にかけて、「企業価値のほうが重い、重要だ」と判断できたら、最高の買いチャンスとなります。

 

株をする誰もが「日経平均株価」を投資判断の基準としています。影響度も並外れた大きさがある、最もメジャーな判断指標なのですが、理性を常に保ち、冷静さを失わないようにしてください。

株価急落は割安な株価で大量買いできるバーゲンセール

特に、暴落というタイミングでは、みんながパニックになります。損したくないという感情が最優先され、いち早く換金売りしたいという衝動に駆られ、突き動かされます。

 

また、株価の下落が続くと、不安という感情も生まれてきます。不安は恐怖よりも弱い感情ではありますが、動けなくなってしまう性質があります。

 

パニックの最中が一番不安や恐怖という感情に支配されやすい時ですが、感情に流された時が一番危険なタイミングなのです。「どんなに損をしても株を売りたくなる」といった間違った行動を最も起こしやすい瞬間なのです。

 

株価急落は醒めない悪夢ではなく、次の急騰株を割安な株価で大量買いできるバーゲンセールなのです。同時に、あなたの成功が始まる瞬間でもあります。

 

理性を常に忘れず、暴落時の買いを実現するためには、有望株を最低半年保有することが条件です。混乱は時間とともに終息し、投資家は冷静さを取り戻します。理性を判断軸にする投資が感情売買を追いやっていくため、下げ過ぎた株価は元通りになります。だからこそ、暴落時や急落の局面での買いが成功します。

 

必ず儲かるとお約束はできませんが、近年起こっている相場の急落は半年以内に全て復活してきました。

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